okurejeの日記

フィギュアや映画や本などについて、ゆるく書かせていただきます。

『プリンス論』と『ウィ・アー・ザ・ワールドの呪い』は西寺郷太さんの音楽愛に溢れている

こんにちは!

  

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西寺郷太さんについては存じ上げず、なんとなく『タモリ倶楽部』で見たことあるな、程度の認識しかありませんでしたが、実はロックバンド「ノーナ・リーヴス」を率いるミュージシャンで、かつ著名な音楽プロデューサーであるとのこと。

そんな西寺郷太さん著の話題作『プリンス論』と『ウィ・アー・ザ・ワールドの呪い』を読んでみましたら、これが西寺さんの音楽愛に溢れた良書でした。

 

プリンス論

80年代から90年代のアメリカン・ポップスのアイコンだったプリンスの、生い立ちから現在までのディスコグラフィや、明暗あるエピソード紹介など、自信がプリンスの熱狂的なファンである西寺郷太さんの、全くもってプリンス愛に満ち溢れたプリンス解説本です。

 

プリンス論 (新潮新書)

プリンス論 (新潮新書)

 

 

ミュージシャンの解説本や自伝なんかは数々出版されており、プリンスについても様々出版されてますが、熱狂的なファンでなければ高額な解説本を買ってまで読みたい人は少ないでしょう。

 本書は、熱狂的なプリンス・マニアが、いかにも楽しげにプリンスとその楽曲について熱く、詳しく紹介してくれており、また新書なので、安価でサクッと読めるのも魅力です。

 

私も80年代はプリンスには結構ハマッていて、ピーク時のアルバムはレコード、CDと買い替えても聴き続けてましたが、ミステリアスな印象操作のためか、プリンスの生い立ちや人となりについては当時あまり情報がありませんでした。ましてやインターネットもない時代ですし。

 

なのでプリンスのファンだった頃から25年ほど経ったこのタイミングで、懐かしのプリンス解説本を読みやすい新書でポンっと投入されると、ついつい読んでみたくなります。

 

なお本書を読んでいると、無性にプリンスの楽曲が聴きたくなって困るのですが、所有してたプリンスのCDは、やれ断捨離だー!とかで全て手放してしまいました。


しょうがないのでTUTAYAでレンタルしようと思ったのですが、一番聴き直したかった『パープル・レイン』のレンタルCDが置いてない!・・・ 『パープル・レイン』無いのってありえなくね?? もはやそういう時代なのか。


・・・ちなみに殆どの楽曲CDは手放したのですが、手元に残したのはコレみたいに・・・↓

 

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だれが買うんだこんなの・・・のようなモノばっかり。

 
★★★★★

  

ウィ・アー・ザ・ワールドの呪い

『プリンス論』が面白かったので、その少し前に西寺さんが上梓された、こちらの著書も読んでみたのですが、これまた興味深い内容でした。

 

ウィ・アー・ザ・ワールドの呪い (NHK出版新書 467)

ウィ・アー・ザ・ワールドの呪い (NHK出版新書 467)

 

 

1985年。

アメリカの代表的なミュージシャンをメンバーとして終結した「USAフォー・アフリカ」が、一夜限りのレコーディングで完成したのが「ウィ・アー・ザ・ワールド(We Are The World)」。

 作詞・作曲はマイケル・ジャクソンとライオネル・リッチー共作で、プロデュースはクインシー・ジョーンズ。

 

この曲に特別の思い入れを持っている西寺郷太さんが、アメリカン・ポップスの歴史から、「USAフォー・アフリカ」結成までの経緯や録音時の裏話、そして最終章では、タイトルである「ウィ・アー・ザ・ワールドの呪い」について書かれています。

・・・「呪い」といっても決してオカルティックな話ではありません。

詳細は本書をご覧ください。

 

なお当初はプリンスも参加メンバーだったのですが、録音日当日にアクシデントで参加できなかったそう。

・・・西寺郷太さんは、プリンスの不参加は意図的なもので、最初から参加する意志がなかったマドンナと同じく、自身のブランドイメージを守るための戦略ではなかったか?と推理されています。

私は「トーキング・ヘッズ」のデヴィッド・バーンが大好きなのですが、彼も参加依頼を断ったそうで、
・・・自分的には、なかなかしみじみしたエピソードです。

 

私としては、前年の1984年に、イギリスの有名ミュージシャンがチャリティ目的で集結した「バンド・エイド」の「ドゥ・ゼイ・ノウ・イッツ・クリスマス(Do They Know It's Christmas?)」のほうが断然好きで、それをパクったような「ウィ・アー・ザ・ワールド」は、どちらかというと嫌いでした。

 

また当時は、「カルチャー・クラブ」や「フランキー・ゴーズ・トゥ・ハリウッド」など、ロンドン発のバンドのほうが好きで、「ブルース・スプリングスティーン」や「ヒューイ・ルイス&ザ・ニュース」など、いかにも「男くさくて強いアメリカ!」的なノリは、「あぁ、ダセェ!近寄るな!」と思っていましたし、あまりにもポップなイメージのマイケル・ジャクソンも漏れなく嫌いでした。

 

あ、マイケル・ジャクソンは唯一「スリラー」は好きなのです。

あの有名なPV(プロモーション・ビデオ)の監督と特殊メイク担当が、私のオールタイム・フェイバリット映画である『狼男アメリカン』のジョン・ランディスとリック・ベイカーである、というだけの理由だけですが・・・

 

・・・とはいえ、バリバリのアンチ「ウィ・アー・ザ・ワールド」の私でもとても興味深く読めた「ウィ・アー・ザ・ワールドの呪い」。

 


昨今は、アルバム単位ではなく好きな曲のみ手軽にダウンロードできたり、月額の定額でどんな曲でも聴き放題なサービスがあったり、果てはYouTubeなどでタダで見放題と、音楽の聴き方、接し方があまりにも軽くなりすぎている。

最初は嫌いでも、じっくり聴きこんだり、その楽曲やアーティストの情報を詳細に知ることで、印象が変わってくることだってある。

最初は興味もなかったバンドや楽曲に次第に熱狂するほどになって、自分(西寺郷太さん)みたいに人生が変わることもある。

若い人たちに対して、「もうちょっとだけ音楽を愛そうぜ!」という、西寺郷太さんの熱いメッセージも込められた『プリンス論』と『ウィ・アー・ザ・ワールドの呪い』、みなさんも是非、ご一読を。

 

 

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 それではー

  

プリンス論 (新潮新書)

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ウィ・アー・ザ・ワールドの呪い (NHK出版新書 467)

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ウィ・アー・ザ・ワールドの呪い (NHK出版新書)

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