こんにちは!
「宇宙飛行士は本質的に頭がイカれているからな。
そして実に気高い。」
先日観た映画『オデッセイ』の原作小説、『火星の人』をkindle版で読みました。
映画を観終わったばかりでオチがわかっているにもかかわらず、サクサク読み進めることができる。
小野田和子さんの翻訳がまた絶妙なせいで、主人公マーク・ワトニーの軽妙さや、ポジティブ・マインドな知的で逞しい性格が活き活きと伝わってきて、最後まで楽しんで読み続けることができました。
なお映画では、劇的なラストに向かうまでの後半のストーリーは割とあっさり描いているのですが、原作では、(映画では端折られていますが)後半も主人公は様々なトラブルに悩まされ続けて、最後の最後まで気が抜けません。
それにしても、リドリー・スコット監督の手腕恐るべき。
基本的なストーリーは原作に忠実に映画化されており、原作のイメージを損なうことなく、これほどの極上のエンターテイメント作品に仕上げるとは・・・
本作は大変読みやすいのですが、そうは言っても基本的には理系な作品。
科学や化学の話、また以下のような宇宙探査関連の用語の数々。。
Hab(宇宙基地)やEVA(船外活動)、ローバー(探査車)、マーズ・パスファインダー(火星探査機)、ペイロード(宇宙機)、RTG(原子力電池)、MAV(火星上昇機) ・・・
こういうのに疎い自分としては、映画でのビジュアル・イメージのおかげで小説の内容がすんなり頭に入ってきたし、また映画ではよくわからなかったシーンの意味がよくわかったりと、まさに映画と小説が相互補完してくれて、よりいっそうこの作品を美味しく味わえました。
原作のあまりの面白さに、後日、映画のパンフレットを購入してきたくらいです。
★★★★★
なお、映画ではそれほど詳しく描写されていなかった火星探査チームの他メンバーのキャラクターが、原作ではわりと詳細に書かれています。
自分的に一番感銘を受けたのは、主人公のみならず、他の5名のクルーも、どうしようもないほどの危機に直面しても、最後の最後まであきらめずに前向きに行動する優秀な知能と冷静でタフな精神を持っていますが・・・
仲間の命を助けるためには、自分の命の扱いの軽いこと軽いこと。
他人の命を空気よりも軽く扱うISの聖戦士たちとはまったくの真逆。
なんというか、頭のネジが3本ほど緩んでる人たちというか・・・
未だ有人探査が実現できないほど過酷な火星へ降り立つことができるのは、こんな資質を持った宇宙飛行士しか実現できないことでしょう。
見て見て! おっぱい!->(.Y.)
そして
最初はネット上で無料で連載してたのが人気が高まってkindleで電子書籍化され、ついにはハリウッドの大物監督と大物俳優によって映画化されるという、まさにアメリカン・ドリームの体現者ともいえる、
かつてはプログラマーであり、バリバリの理系青年だった著者のアンディ・ウィアー。
この大成功により、小説家一本でやっていくことにしたそうです。
(映画のパンフレットより)
彼の次回作が楽しみです。
「連中はミッションをあきらめるくらいなら、命を危険にさらすほうがましだと考えるでしょうね」
「宇宙飛行士だからな」
「宇宙飛行士ですからね」
それではー