okurejeの日記

フィギュアや映画や本などについて、ゆるく書かせていただきます。

ゴールデンカムイが面白すぎて、ヤバイ。困る

こんにちは!


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kindleのコミック売れ筋ランキングにはいつもお世話になってます。

毎日「無料 Top100」をチェックし、話題作や懐かしいコミックを無料で楽しませてもらっています。一応、財布の紐はそれなりに固いつもりですが、それでもまんまとAmazon様の策略に乗せられて、ついつい続巻を買ってしまうことも。

とは言え、購入するまでは何度も1巻目を読んで、熟考のあげく「この作品は購入しても何度も読めるほどの価値アリ!」と判断してやっと購入するのですが、この『ゴールデンカムイ』については、無料お試しの1巻を読み終わってすぐにポチリとやってしまいました。読むまでは、このジャケットにも全然そそられなかったのですが・・・

ストーリーは明治末期の北海道が舞台。
日露戦争を生き残り「不死身の杉本」と異名された元軍人の杉元佐一と、アイヌの少女アシㇼパが、アイヌ人の隠し金塊を探すため、同じく血眼で金塊を探す日本陸軍師団や元新撰組副長の土方歳三、網走刑務所を脱走した囚人たちなど、ヒトクセもフタクセもある男たちと死闘を繰り広げていく冒険活劇なのですが、読みながらも色々と勉強になる、「楽しくてためになる」作品なのです。

「杉元佐一」って、作者である野田サトルのひいおじいさんの名前だそうです。

 

アイヌ民族に詳しくなる

アイヌ人をテーマにしたエンターテインメント作品ってあんまりないような気がします。思いつくのは角川映画にもなった『カムイの剣』くらいですが、それほどアイヌ民族の風俗について細かい描写もなかったような。
本作でのアイヌ民族の描写はとても細かく、作者の緻密な取材の賜物なんだなーと思わせます。とくにヒロインのアシㇼパちゃんのジビエ料理のレシピ・・・
狩猟とジビエ料理と言えば『山賊ダイアリー』が有名ですが、同じような話が続くので途中で読むのを止めてしまいました。しかし本作は『山賊ダイアリー』のエッセンスもあわせ持っているのですごくお得な感じです。

 

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アシㇼパちゃんのジビエ料理に、料理評論家の山本益博バリの食レポコメントをする「不死身の杉本」こと杉元佐一。こんな元帝国軍人はいるだろうか?

 

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日露戦争に詳しくなる

富国強兵に励んだ明治の大日本帝国は、日清戦争で大国の清を破ったあと、ついに世界最強のバルチック艦隊を擁するロシアを日露戦争で下し、全世界に強国・日本を印象付けました。しかし、日露戦争は戦争には勝利したものの、戦費や戦死者は膨大になり、しかも賠償金も得ることができないという、まさに面目だけ保って国力は疲弊しただけという無益な戦。しかもこの成功体験のせいで、絶対に勝てる見込みのない太平洋戦争に日本国民が突入するキッカケともなった、ある意味「すごく日本が滅亡するもとになった」戦争ということになります。

映画にもなった「203高地の戦い」ですが、戦死者1万6千人も出した激戦だったのに、その勝利の効果は殆ど無かったそうで、こういった日露戦争の負の側面も、本作のテーマの1つになっています。
 

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ヒグマの生態に詳しくなる

「ベルクマンの法則」によると「同じ種でも寒冷な地域に生息するものほど体重が大きく大型になる」特徴があるそうです。そして、「ブラキストン線」という動植物の分布境界線があり、北海道に生息するヒグマとかシカって、やっぱり内地より大きいらしい。

昨年、吉村昭 著『羆嵐(くまあらし)』という恐ろしい小説を読みました。

 

大正時代に北海道で実際に起きた、エゾヒグマが人間を襲った事件(三毛別羆事件(さんけべつひぐまじけん))を題材にした小説ですが、これがホラー小説か!っつーくらい恐ろしい。そんな恐ろしい北海道のヒグマの生態を、本書は詳しく描写してます。

なので読めば、山の中でバッタリ熊に出会っても、絶対生き残れます!

 

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★★★★★


その魅力を一言でいうと、『ジョジョの奇妙な冒険 Part3 スターダストクルセイダース』を読んでるときのワクワク感を感じさせてくれるような作品。

実際、第6巻に登場する殺人鬼・家永カノが「札幌世界ホテル」で繰り広げるエピソードは、ジョジョの奇妙な冒険の第3部で、エンヤ婆が宿屋でジョースター一行を襲うエピソードを彷彿とさせるのですが、読んでてこんなに面白く、何度も読みたくなる作品は最近の作品ではあまりない。

ラストまでこのクオリティを保ったままぶっ飛ばして欲しい作品です。


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<2022年4月7日追記>

今でもたまに本記事を読んで下さる方がいるのだが、元の記事を書いたのは6巻を読んだ直後で、その時点での感想を記述した。実は7巻以降のストーリーが酷くて(つまらない下ネタや変態ネタばっかりで、隠し金塊を探すという本筋のストーリーが進まなくなった)、10巻までで購入を止めてしまった。いかに連載引き伸ばしのためとはいえ、こんなダラダラしたストーリーで4巻も潰してしまうのはありえず、なぜこんな展開に誰も文句を言わないのか疑問だったが、この度、本年4月をもって完結の運びとなったそうだ。おめでとうござます。

・・もしかしたら11巻以降は面白くなったのかもしれないが、今更読む気も起らない。そしてやはり、『鬼滅の刃』の素晴らしさが際立つ。つまらないエピソードや展開で引き伸ばすことなく、本筋のストーリーを怒涛の展開で突っ走って妥当性のある巻数でキッチリ完結した。(・・と思われる。まだ全巻読み終わってないので・・)

『ゴールデンカムイ』も、無駄なストーリーを削ぎ落して全30巻を20巻くらいで終わらせたら名作になり得たのではないだろうか。

 

それではー

 

 

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