こんにちは!
石川県立美術館で開催中の『絵画にみる江戸のくらし 浮世絵版画を中心に』に行ってきました。
(つかタイトルがイマイチ。キャッチーじゃないな・・・)
石川県立美術館が所蔵する浮世絵版画コレクションを、これでもか!とばかりにドドドンと展示しています。
これ、東京で開催されたら人が殺到しすぎて落ち着いて鑑賞できないくらい、著名な浮世絵師の作品揃いです。
(タイトルが地味なのでこのままじゃ集客見込めないと思うけど)
本展でも多数の作品が展示されている歌川国芳。
最近の国芳ブームの熱狂ぶりはすごいもので、昨年、江戸東京博物館で開催された『大妖怪展』でも展示されていた国芳作品など、大混雑の館内で長い行列を、牛歩戦術か!ってくらいのスロースピードで鑑賞しましたよ。
東京の美術館、どこも人多すぎ。
つか、絵画を鑑賞するってレベルじゃねぇぞ!東京の美術館!
それに比べたら、地方の美術館での作品鑑賞は落ち着きます。
じっくり鑑賞できる。味わえる。
・・・ただ、こちらの美術館所蔵の浮世絵版画のレベルがどれほどなのかは不明ではありますね。
例えば国芳の人気作『みかけハこハゐがとんだいヽ人だ』。
妻が気付いたのですが、一般的にネット検索で表示される作品はこちらですが、
石川県立美術館に展示されている作品はこちら。
・・・なんとなく、刷りが雑なような気がしないでもない。いかにも量産品の「後摺」的な?
背景色も違う色だし、着物の柄も違うし。
全くの素人なので適当なこと言ってますが、この作品はいわゆる「初摺」ではなさそうですね。
※初摺・・・最初に摺った200枚前後の版画。初版。それ以降のものは「後摺」という。
★★★★★
・・・ま、ま。
そうは言ってもこれだけの著名な絵師の作品をたっぷりじっくり鑑賞できるのは、やはりありがたいことです。
展示数が一番多いのは、「ヒロシゲブルー」で有名な歌川広重でしょうか。
広重の『名所江戸百景』や『東海道五十三次』をたっぷり堪能できます。
次に多いのは、これまた最近ブームの歌川国貞。
役者絵の「見立三十六歌撰之内」は圧巻。
また今話題の横綱土俵入り「雲龍型」「不知火型」でおなじみ、雲龍久吉や不知火諾右衛門の力士の絵もあるよ。
そして歌川国芳。
国芳といえば、最近大好きな漫画家である崗田屋愉一先生(旧名岡田屋鉄蔵)の作品、『ひらひら 国芳一門浮世譚』が面白かった。
崗田屋先生の時代劇はスゴイっすよ。
最近の漫画家さんで、これだけの画力でちゃんとした時代劇を描ける人って少ないと思うのですが。
現在は国芳の若い頃を描いた『大江戸国芳よしづくし』を連載中とのことで、単行本が発売されたら即買いの予定です。
今回一番楽しみだったのが、ご存知、故・杉浦日向子先生の『百日紅(さるすべり)』でおなじみ、池田善次郎こと渓斎英泉の作品をたっぷりと拝めること。
『百日紅(さるすべり)』では北斎の娘・お栄に「ヘタ善」と言われてましたが、しかし英泉の美人画の艶っぽいこと。
「北斎ブルー」といわれる「ベロ藍」で描かれた美人画、かっこいい。
もちろん、鉄蔵こと葛飾北斎の作品もそこそこ展示されてましたが、惜しむらくは、お栄こと葛飾応為の作品が1つもないこと!
葛飾応為は晩年は仏門に帰依し、加賀前田家の扶持を受けて金沢で亡くなったとも言われてるそうなのに、なんで石川県立美術館は応為を1枚も所蔵してねーんだよー!
ということでこの展示、2月12日(日)までやってますので、ご近所の方は是非行ってみてはどうでしょうか。
なお200点以上の作品数、ガチで鑑賞したら2時間はかかりますので、時間に余裕を持って行かれることをお勧めします。
それではー