okurejeの日記

フィギュアや映画や本などについて、ゆるく書かせていただきます。

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今年読んだ「先の大戦」関連の映画や本やコミックスなど

「先の大戦」 = 第二次世界大戦 といえば、年明けに話題作『この世界の片隅に』を観たのを皮切りに、今年もいくつか関連の映画を観たけど、特に印象に残ったのはメル・ギブソン監督作『ハクソー・リッジ』と、『ハクソー・リッジ』を観る前日に予習的な意味合いで久しぶりに観た『プライベート・ライアン』だ。

 

プライベート・ライアン (字幕版)
 

 

多くの一般的な戦争映画やドラマでは、戦闘シーンで人が撃たれても、せいぜい多めの血糊を塗りたくって倒れた死体しか出てこないので、凄惨さは感じられない。

なので20年前に劇場で『プライベート・ライアン』を初めて観たときは衝撃的だった。
ビーチに上陸した米兵が、ドイツ軍の機関銃に撃たれてズタボロになって次々死んでいく冒頭のノルマンディー上陸作戦のシーンのリアルさよ。
ああ、人間が大口径の弾丸を機関銃で大量に食らったら、小さい穴が開いて血が出るだけじゃなくて、手足が吹き飛んだり、内臓まき散らしたり、脳みそまき散らして顔が半分無くなったりと、それはもう凄惨な死体になっちゃうんだよなぁ・・・ってことをまざまざと思い知らせてくれる。
そして後半、米兵と敵ドイツ兵が肉弾で1対1のもみ合いになり、やがて米兵の胸にゆっくり、そして深々とナイフを刺していく敵ドイツ兵。驚愕の表情を浮かべながらゆっくり絶命する米兵。
ああ、他人の体に刃物を突き刺すってこんな感じなのか・・・とリアルに想像させられる。
およそ20年前の映画とは思えないほど、今観てもリアルな戦場描写が圧巻の名作。


『ハクソー・リッジ』も、沖縄戦での壮絶な戦闘シーンは、殺傷能力に優れた近代兵器での殺し合いの惨さをこれでも!これでもか!と観客に見せつけてくれる。

 

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連合軍は欧米人らしく、大日本帝国軍のように根性論一筋ではなく合理的であったため、十分な軍備、物資、兵力を準備し、日本軍に比べて自軍の兵士を無駄に消耗させない戦闘を行ったが、それでも上陸戦や総力戦になったら、ボロ切れのように命が消費されたのは変わらない。

 

・・・戦争、やっぱ残酷、辛い、厳しい。
そして  水中、それは苦しい

 

ということで、『ハクソー・リッジ』を観た影響から、今年何冊か読んだ「先の大戦」関連の本についてあげてみます。


『私の沖縄戦記 前田高地・六十年目の証言』 

私の沖縄戦記  前田高地・六十年目の証言 (角川ソフィア文庫)

私の沖縄戦記 前田高地・六十年目の証言 (角川ソフィア文庫)

 

 沖縄戦のハクソー・リッジ=前田高地での激戦を、当時沖縄の初年兵で参戦した著者が日本兵の視点から回想した記録。
当時の日本軍の混乱ぶりや戦闘の激しさが伝わってくる。
『ハクソー・リッジ』でアンドリュー・ガーフィールドが演じた主役のデズモンド・ドスについても記述されているので、『ハクソー・リッジ』と対で読むと日米両軍の心理や状況が理解しやすい。

 

『米軍が恐れた「卑怯な日本軍」』 

米軍が恐れた「卑怯な日本軍」 帝国陸軍戦法マニュアルのすべて (文春文庫 い 95-1)

米軍が恐れた「卑怯な日本軍」 帝国陸軍戦法マニュアルのすべて (文春文庫 い 95-1)

 

 ベトナム戦争ではベトコンのゲリラ戦術に苦しめられた米軍だが、太平洋戦争では奇襲や仕掛け爆弾や自爆攻撃などの「卑怯」な日本軍の戦法に苦しめられた。
しかし日中戦争では、同じく仕掛け爆弾や便衣兵(一般人と同じ服装をして民間人に偽装した兵隊)に苦しめられた日本軍が中国軍を「卑怯」な軍隊と思っており、要するに兵力と装備に優れた軍隊に寡兵で対抗するには、仕掛け爆弾やゲリラ戦を展開せざるを得ず、イヤでも「卑怯な軍隊」になるしかなかった、ということが良くわかる本。
ただ本書の後半は、日本軍の様々な手榴弾や地雷などの仕掛け爆弾の説明が大半を占めるので、ちょっとだけ退屈する。

 

『生きている兵隊』 

生きている兵隊 (中公文庫)

生きている兵隊 (中公文庫)

 

 従軍記者として南京事件に関与した日本軍部隊に取材した著者が、その体験をもとに当時の中国での日本軍を描いた小説。

もともとは医者だったり新聞社勤務だったインテリの日本兵、僧侶だったり普通の農民だった日本兵が、戦地の異常性のなかで次第に感覚が麻痺して、中国の一般市民や女性まで無感覚で殺害するほどに変貌する戦争の非情さをリアルに描いた作品。
『米軍が恐れた「卑怯な日本軍」』でも触れていたが、中国軍は便衣兵が多かったため日本兵としてはどうしても疑心暗鬼にかられ、そのため民間人も多数虐殺したことがあるかもしれない。
本作の発表当時は戦時中だったので、当然本書は発禁処分になり著者も禁固刑(執行猶予あり)を受ける。

 

『日本のいちばん長い日(決定版) 運命の八月十五日』 

日本のいちばん長い日(決定版) 運命の八月十五日

日本のいちばん長い日(決定版) 運命の八月十五日

 

 あの『昭和史』の半藤一利氏の代表作。
今の今まで読んだことも映画版も観たことがなかったが、やっと読む気になった。
確かにすごい力作で、ポツダム宣言受諾を正式に宣言する玉音放送をめぐって、戦争終結を阻止しようとする青年将校らと、天皇の意思通りに終戦を成し遂げようとする政府関係者との攻防を描くノンフェクション群像劇。
青年将校らが日本降伏を阻止しようとして皇居を占拠した「宮城事件」、近衛師団長が首チョンパされたりと凄惨なクーデターだったと初めて知れるなど、大変勉強になった。
広島・長崎で大勢の人が亡くなって、バカで頭の固い戦争終結反対派の軍部がごねてるその瞬間にも大勢の日本兵、連合国兵、世界各国の民間人が殺され続けたワケで、「とっとと降伏せいや!」ってなって、読んでて頭が痛くなってきた。
無謀な戦を起こして、しかも一億玉砕とか言って自国民がどれだけ死のうが戦を止めない頭の固さと悪さ加減は、社畜たる我々にも脈々と受け継がれているなーと思った。

 

『第一次世界大戦 忘れられた戦争』 

第一次世界大戦  忘れられた戦争 (講談社学術文庫)

第一次世界大戦 忘れられた戦争 (講談社学術文庫)

 

 こちらは「先の大戦」ではなく「先の先の大戦」についての概説書。
(戦闘描写やグロ描写はなしだが)読みやすくて、第一次世界大戦勃発の原因と、参戦した各国の思惑、行く末などが理解しやすかった。
この大戦中にロシアが崩壊してソ連となって共産国が誕生し、アメリカ合衆国が世界に存在感を見せつけ始め、この大戦でボコボコにされたドイツが第二次世界大戦を勃発させた張本人となった、など。
また、そもそもヨーロッパ大戦なので直接的には関係ない日本が、なぜかちゃっかり参戦してこれまた殆ど関係ない中国に侵略、後の日中戦争の要因となるという。
実は日本が大きく関係した大戦であったことも初めて知った。

なお今年観た「先の先の大戦」が舞台となった映画といえば、『ワンダーウーマン』。
第一次大戦が舞台の映画は珍しかったけど、まぁ作品的には敵がドイツ軍であれば第一次でも第二次でもいいが、マーベルのキャプテン・アメリカとダブるから第一次にしとっか!くらいなノリの作品ではあったけど、ガル・ガドット嬢はかっこよかった!

 

ワンダーウーマン  ブルーレイ&DVDセット(2枚組) [Blu-ray]

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続いてコミックス。

 

『この世界の片隅に』『夕凪の街 桜の国』 

 

夕凪の街 桜の国 (アクションコミックス)

夕凪の街 桜の国 (アクションコミックス)

 

 前者は大ヒット映画の原作、後者は戦後の広島原爆被災者の「その後」を描いた作品。
こうの史代さんの「先の大戦」モノは、直接的な戦闘シーンを一切描かないにも関わらず、しかも絵柄はほのぼのとしたタッチながら、戦争の悲惨さを読む者に十分に伝える。
『この世界の片隅に』は映画を観た後に初めて原作を読んだが、映画では細かく描かれず分かりづらかったサイドストーリーが理解できた。そして、映画と同じシーンでやはり泣けた。
『夕凪の街 桜の国』は、終戦後から現代まで、原爆症であることの苦悩を抱える3代の家族を淡々と描いた作品。『この世界の片隅に』以上に抑揚のないストーリーだが、でも泣かせる。


『昭和柔侠伝』 

昭和柔侠伝 上巻

昭和柔侠伝 上巻

 
昭和柔侠伝 中巻

昭和柔侠伝 中巻

 
昭和柔侠伝 下巻

昭和柔侠伝 下巻

 

 バロン吉元先生の名作「柔侠伝」シリーズで、『柔侠伝』の主人公、天才柔道家・柳勘九郎の息子で同じく天才柔道家の柳勘太郎が主人公。
当時の一般的な血気盛んな若者らしく、勘太郎も戦闘機乗りに憧れ陸軍の戦闘機部隊に配属され、太平洋戦争の終戦まで連合軍の飛行部隊と死闘を繰り広げる。
基本的には人情ものでコメディタッチの作品ながら、戦争の悲惨さと軍部に翻弄される末端兵士や民間人の苦しみなどがリアルに伝わる。


『あれよ星屑』 

 そして山田参助先生の、戦後の闇市に生きる2人の復員兵のお話。
バロン吉元先生を彷彿とさせる画力と飄々と流れるストーリーだが、敗戦後の日本人、特に女性や子供たちの悲惨な状況、戦中の日本兵の軍隊内のいじめ、中国人や朝鮮人への酷い扱い、戦争を何とか生き残った人たちの苦悩など、日本人が忘れたい、見なかったことにしたい現実をカジュアルに、リアルに見せる傑作。
現在は6巻までが既刊で、近く最終巻となる7巻が発売予定。

 

スターシップ・トゥルーパーズ [Blu-ray]

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生まれてから現在まで、他人を殺そうとしたり殺されそうになったこともない。
なので、殆どの日本人は同様だろうが、人々が殺しあうという感覚がリアルにはわからない。
世界の紛争地域ではいま現在も死と隣り合わせの生活を送っている人もたくさんいるが、ネット越しの画像や動画では、どうにも他人事にしか感じられない。

だから例え作り物でも、リアルな映像で人間の殺し合いがどんなものなのかを、一端でも感じられる映像作品は観るべきであり、戦争がいかに割に合わない行為であるかを、書物などで学習することは大事。
でなきゃ、ポール・バーホーベン監督の『スターシップ・トゥルーパーズ』を何も考えず素直に観て、「ヒャッホー!俺も進んで軍隊に入って、祖国のために死ぬまで敵を殺しまくるぜ!」という勘違い単純バカになってしまうよ。

 

・・・戦争、やっぱ怖い、痛い、戦争反対。
そして  水中、それは苦しい

 

プライベート・ライアン [Blu-ray]

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「ハクソー・リッジ」スペシャルエディション [Blu-ray]

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私の沖縄戦記  前田高地・六十年目の証言 (角川ソフィア文庫)

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米軍が恐れた「卑怯な日本軍」 帝国陸軍戦法マニュアルのすべて (文春文庫 い 95-1)

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生きている兵隊 (中公文庫)

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日本のいちばん長い日(決定版) 運命の八月十五日

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ワンダーウーマン  ブルーレイ&DVDセット(2枚組) [Blu-ray]

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この世界の片隅に [Blu-ray]

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夕凪の街 桜の国 (アクションコミックス)

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昭和柔侠伝 上巻

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昭和柔侠伝 中巻

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昭和柔侠伝 下巻

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スターシップ・トゥルーパーズ [Blu-ray]

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芸人の墓

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水中見舞い

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