その監督作品に外れなし。
『キック・アス』『X-MEN: ファースト・ジェネレーション』『キングスマン』、どれも非の打ち所がない作品。
そのマシュー・ヴォーン監督の新作で、かつ『キングスマン』の続編とあらば、期待せずにはおれない。
『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』よりも本作を心待ちにしていた。
と言うことで新春、そして今年初の映画鑑賞ということでちょっと奮発して、「MX4D版」で鑑賞することにした。
(本当はIMAXくらいでよかったんだけど、丁度いい時間帯の上映がなかったので・・・)
4D映画では過去に1度だけ、『マッドマックス 怒りのデス・ロード ブラック&クロームエディション』を「4DX版」で鑑賞したことがあるが、すごく迫力があった。
シートの揺れが想像以上で、上映開始からしばらくは激しい揺れが怖いほどだったが、そもそも激しいカーアクション映画なので没入感がハンパなく、最終的にはテンション上がりっぱなしで鑑賞できた。
ただしアクション満載の作品との親和性は高いが、作品によってはむしろ4D上映の派手な演出のせいで気が散って映画に集中できない可能性もある。
また、どのシーンではどの程度シートを揺らして、風とミストを吹き付けるか、など、4D演出の良し悪しも大きく作品に影響する。ヘタな演出だとむしろ作品の質自体を落とす可能性もあるだろう。
「MX4D」は「4DX」に比べて演出が少し多いそうだが、『キングスマン: ゴールデン・サークル』では効果的に演出されているだろうか。
また、続編は非常に難しい。
あの名作『キック・アス』の続編は、マシュー・ボーン監督が自らメガホンを取っていないこともあるだろうが、非常に質の悪い作品だった。
さて本作の出来はいったいどうなんだろうか。
期待値が大きすぎたせいもあるが、感想としてはちょっとガッカリ・・・というか、ダメ作品。これ、アカン作品ね。
なんというか全体的に脚本に無理があるのと、キングスマン特有のスタイリッシュさとカタルシスがなかったのと。
今回は「ステイツマン」という米国の施設スパイ組織が登場するが、これがイマイチ魅力がない組織で中途半端な印象。
ジュリアン・ムーア演じる敵ボスも今一つ中途半端な悪役で、前作のサミュエル・L・ジャクソンほどのアクもなく、そもそも冒頭でキングスマンの基地や施設をすべてミサイル攻撃で壊滅させる必要性もイマイチわからなかった。
前作の、両足が義足の殺し屋ガゼルみたいな魅力的な敵キャラクターも登場しない。
そしてやっぱり、ハリー・ハート(コリン・ファース)が死んでなかった説明、無理があるでしょ。
主人公がステイツマンのメンバーの一人にあっさり負けちゃったり、ラストで敵アジトに乗り込む時にバット型のカッコいい地雷探知機を持ち込んでるのに、主人公がうっかり地雷踏むの、ありえなくない?ありえなくない?
もう取って付けたような脚本で、これ本当にマシュー・ヴォーンが書いた本?と疑いたくなる。大人の事情?この劣化はなに?
なお「MX4D」については、やはり1度経験済みだったせいか、それほど驚きがなかったのと、中盤はアクションシーンも少なく、別に4Dじゃなくても不都合がない感じだった。要するにイマイチ。
マシュー・ボーン脚本・監督作としてはあまりにありきたりな続編だったが、自分自身の期待値とハードルが高過ぎるせいでそう感じたのか?とも思ったけど、やっぱこの作品、やっつけてないのにやっつけ感あり過ぎる。
続編やステイツマンのスピンオフまで製作される予定があるみたいだけど、もうダメなんじゃね?
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