スタンリー・キューブリック監督作『2001年宇宙の旅』の公開から50周年だという。
その製作50周年を記念して、オリジナル・ネガからデジタル処理なし、かつキズなどを修復無し(アンレストア)の70mmのニューフィルムが、クリストファー・ノーラン監督の監修で作成されたそうだ。
ただ現在の日本国内には、フィルム映画が上映可能な映画館がないため、日本で唯一の国立映画専門機関である「国立映画アーカイブ」で6日間限定で特別上映され、なんと全席満席となるという盛況ぶりだったらしい。
しかも70mmフィルムはコンディションのチェックも大変で、かつ非常に重たいため、1回の上映で3回行われるフィルム交換もかなりの重労働になるらしい。
上映終了時には、作品ではなく映写技師に観客から拍手が送られたとか。
今回観に行ったのは、同じくオリジナル・ネガからデジタルで作成されたIMAX版。こちらもわずか2週間の特別上映となる。
公開当時の状況に限りなく近づけて再現したかったというフィルム上映だが、70mmの作品を上映する場合、国立映画アーカイブのスクリーンでは少しサイズが小さかったそうだ。
その点、IMAX版はデジタルではあるがスクリーンは大きいので、本来キューブリック監督がシネラマ上映で表現したかった映像に、そこそこ近いサイズ感で再現されているらしい。
・・まぁそれほど本作のマニアではないし、上映媒体の違いにもそれほど詳しくはない。
とりあえず何十年かぶりにこの名作をスクリーンで観たいな、という軽いノリで来たのだが・・
・・長かった!そして相変わらず、意味がよくわからない作品だった。
20年以上前にレンタルビデオや劇場でも鑑賞済みで、アーサー・C・クラークの小説も読んだハズだけど、さすがに大昔なので現在では全く記憶に残っていない。
ほぼ初見の感覚だったが、説明も何もない作品で、監督自身がワザとわけワカメに作っている作品なので、まぁやっぱり意味がわからなかった。
現代のハリウッドが撮ったら、おそらく10分以内で完結してしまうほど、ストーリーもテンポもスローモーだ。
(しかも15分間のインターミッションもちゃんと再現されている)
もちろん未見で、こういった過去の名作映画には全く興味がない妻には、さぞ辛いことだったと思うし、案の定『美しく青きドナウ』が流れると少し寝てしまったそうだが、それでもこのワケのわからん作品、意味がわからないながらも最後まで観れたそうだ。
そこはやはり、今観ても古さを感じさせない、宇宙船や船内、宇宙服などのデザインの秀逸さと、圧倒的な映像や音楽の迫力のせいだろう。
観終わってからYouTubeで視聴した町山智浩さんの解説が、まぁ面白かったこと!
何十年経っても色褪せない名作だけど、我々夫婦の楽しみ方としては、大スクリーンで鑑賞した後に、ネットで町山さんの面白おかしい作品解説を聴く、というパターンかもしれない。
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