okurejeの日記

フィギュアや映画や本などについて、ゆるく書かせていただきます。

『ヴェノム』 感想 ~残念な作品

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本作はてっきり、MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)のシリーズかと思っていたが、マーベルスタジオは関与していないらしい。

ソニー・ピクチャーズによるSUMC(Sony's Universe of Marvel Characters)の1作目となる作品だそうだ。

サム・ライミ版『スパイダーマン3』に登場したヴェノムは原作アメコミのキャラクター設定に近いし、そもそもヴェノム誕生はスパイダーマンありきなので、本作のようにスパイダーマンが全く絡まないヴェノムというのは如何なものか?とも思うが、まぁ作品が面白ければ、アメコミにそれほど思い入れがない日本人としては全然問題ない。

なお監督は、あの『ゾンビランド』のルーベン・フライシャーだという。
最近のゾンビ映画では群を抜いていた名作をものした監督なので、トム・ハーディー版ヴェノムは大いに期待していいのではないだろうか。

 

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・・で昨日観てきたんだけど、ハッキリ言って中途半端な作品だった。

 

巨大な資産と権力を持つ謎の組織・ライフ財団リーダーのドレイクは、宇宙から謎の生命体「シンビオート」4体を捕獲し、シンビオートを人間に寄生させる生体実験を行う。
人気記者である主人公のエディ(トム・ハーディー)は、ライフ財団が危険な人体実験を行っているという情報を入手し、取材でドレイクにその事実を突き付けるが、あっけなく握りつぶされ、ライフ財団の権力でジャーナリストの職を失ってしまう。
後日、人体実験の証拠を掴もうとライフ財団に侵入したエディは、実験室でシンビオートに寄生され、エディとシンビオートが一体化し、ヴェノムが誕生する・・

 

まず気になったのは、エディが、ライフ財団の弁護を行っている、フィアンセである弁護士アンのEメールを夜中に勝手に覗き見て、その内容を翌日、取材相手のドレイクにそのまんま暴露して記者をクビになり、アンも情報流出を咎められて弁護士事務所をクビになるという設定。
メールを盗み見られ職まで失ったアンは、エディとの婚約を解消するんだけど、そもそも人のメールを勝手に盗み見る男と結婚なんてしたいと思わないだろうし、情報ソースがすぐ割れるようなネタをすぐにカメラの前で話す敏腕記者もいないだろう。
オリジナルストーリーである、スパイダーマンに誤報記事を暴露されて妻も職も失ったエディ・ブロックのエピソードに無理やり合わせるための取って付けた脚本という感じが見え見え。設定に無理があるのでは?
しかし、アンはエディと別れた後にすぐ次の彼氏を見つけて、未練たらたらのエディをはっきり拒絶するのだが、なぜか物語中盤から再びエディと仲が良くなって、ラストあたりではエディを助けたりもする。
それってあまりにストーリーに一貫性がないというか、雑じゃね?

 

また、ライフ財団の実験室でシンビオートの人体への寄生実験が繰り返されるが、シンビオートに寄生された人間は、シンビオートが体から離れたら死に至ってしまうなど、なかなか融合実験は上手くいかない。
しかしなぜか、エディやアン、ドレイクの場合はシンビオートとすんなり融合し、かつシンビオートが体から離脱しても死なないのだが、その理由は劇中では説明されない。

その他にも物語中で回収されない伏線も多くあって、なんか行き当たりばったりで整合性のない脚本って印象が否めない作品だった。

 

そもそも作品の色調も、シリアスなのかコメディなのかどっちつかず。
ヴェノムは人間を食べるという設定なのだが、実際に人間を喰うシーンでは表現規制のためか直接的な表現が省かれているため、ヴェノムの残虐性がイマイチ伝わらない。
原作では悪役なのに、本作では無理やり善のヒーローにしないといけない関係上、ヴェノムという残虐ではあるが魅力的なキャラクターが十分に表現されていない。
なんというか、全てにおいて振り切れていないのだ。

 

唯一良かったのは、トム・ハーディーの演技だけ。
彼はシリアスでもアクションでもコメディでも、何でもこなす俳優。
せっかくトム・ハーディーまで起用したのに、・・残念な作品だったな。

 

・・そういえば、エンドクレジット後のスパイダーマンのアニメってどういう意味があるんだろう?なんかスポーンみたいなキャラクターが出てたけど、さっぱり意味がわからなかった。ヴェノムをデザインしたトッド・マクファーレンで、スポーンのリメイク作品もあるらしいが、なんか関係あるのかな?

 

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