okurejeの日記

フィギュアや映画や本などについて、ゆるく書かせていただきます。

『アナと世界の終わり』 感想

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2017年公開のイギリス映画で、ミュージカル仕立てのゾンビ映画ということだが、本国イギリスや米国でも高評価だったらしく、興味をそそられ観に行ってきた。

ゾンビ映画なんて今では何でもありで、ありとあらゆるパターンの作品が出尽くした感があって、なんなら昨年の大ヒット作『カメラを止めるな!』だってゾンビ映画だ。
今更ミュージカルとゾンビを融合、とか言われても真新しさは感じないが、本作を鑑賞したら、これがまったく普通のゾンビ映画で、逆にビックリしたというか。
なんら新しいギミックもないし、ストーリー展開も凡庸。

 

というか、最初は面白かったミュージカル・シーンも、物語が進むにつれてウザったくなる。ゾンビと追いつ追われつする緊迫したシーンなどで、いきなり登場人物が3分間くらい歌い出すもんだから、ストーリー展開の腰を折られること甚だしい。ミュージカル・シーンになったら眠くなってしまった。
ミュージカル映画なのに「ミュージカル、いらね!」となる映画は作品としてどうなんだ。

 

例えば、ゾンビとの全く異色の組合せ作品といえば、2016年公開の『高慢と偏見とゾンビ』なんて、まさかのゾンビと名作文芸作品とのコラボ作で、ストーリー展開もアクション性も良く、なかなか楽しめる作品だったが、『アナと世界の終わり』は、ゾンビ映画としてもミュージカル映画としても中途半端で、どうにもイマイチ感が拭えない。


 

では全く面白くないかというとそうでもなくて、主人公を始め、主人公の同級生などのキャラクター設定がしっかりしていたせいか、ほろ苦い青春映画としては好感が持てた。主人公のアナを演じたエラ・ハントもとてもチャーミングで、映画映えがするルックスは作品に華を添えていた。

ゾンビ映画としては全くヒネリはないが、チャーミングなJK達の切ない青春映画と思えば、まぁ観れるかも。

 

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ところで、本作の日本版ウィキペディアに、本作の海外の映画評について書かれていて、「汗牛充棟のゾンビ映画というジャンルにおいて、『アナと世界の終わり』は新しい切り口を見出した。」とあった。
恥ずかしながら「汗牛充棟(かんぎゅうじゅうとう)」なんて四字熟語は今まで知らなかったので調べたら「蔵書が非常に多いこと」を意味するらしい。勉強になった。
家の中の本があまりにも多くて、牛車に積んで運んだら牛が汗をかくほどの量で、積み上げたら棟木に届いてしまうほどだ、という例えから出来た熟語だそうだが、あくまで本が多いことを意味するので、ちょっと翻訳の訳語、間違ってね?

 

というか何度も言うけど『アナと世界の終わり』って、ゾンビでミュージカルにしてみました!ってだけで、描かれるゾンビはあまりにステレオタイプだし作品自体も凡庸で、新しい切り口なんてまったくないから!

 


映画『アナと世界の終わり』予告編

 

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