okurejeの日記

フィギュアや映画や本などについて、ゆるく書かせていただきます。

『ホムンクルス』 感想

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GO綾野というよりは故・今井雅之にしか見えない!

 

あの名作『殺し屋1』の山本英夫先生の作品ということで、大いなる期待感を持って読み始めた『ホムンクルス』。頭蓋骨に穴を開けると脳の圧力を下げて血流量が変化するためか、恒常的に意識が明確になったり、麻薬や幻覚剤なしで気分が高揚するなどの効果があるという「トレパネーション」なる手術がテーマの作品。

 

正体不明の医学生からトレパネーション手術を受けた主人公が、片目をつむると、人間のトラウマなどによる深層心理がビジュアル・イメージとして見えるようになるという斬新かつ哲学的な発想と緻密な作画が魅力的で、中盤までは面白く読んだのだが、途中から展開がダラダラしてきて読むのが苦痛になってきた。最終的に、惰性で最終巻まで購入したのか途中で購入を止めたのかすら記憶になく、よって終盤の記憶も皆無。

それでも、連載終了から10年も経っている作品を、今更どんなビジュアルで実写映画にするんだろうか、という好奇心と、なにより今一番好きな俳優、”ケンジ a.k.a.内野聖陽”様が、ケンジとは真逆のヤクザの組長役で出演するというのも楽しみで、劇場まで足を運んでしまった。
なお本作は、基本的にはNetflixによる配信公開作品らしいが、期間限定で劇場での先行上映を行っているそうで、そのためか劇場のポイントや割引サービスが一切使えないので要注意。

 

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序盤からロボ組長、女子高校生のくだりまでは原作と同じで、よくぞ原作のビジュアルを見事に実写化したな、と驚嘆したものだが、岸井”愛がなんだ”ゆきのが演じる主人公の元カノが出てきた後半からは、取って付けたようなストーリーになってしまい、正直、尻つぼみな印象しか残らなかった。


原作では、主人公は実は東北出身者で顔も整形してコンプレックスと共に過去を捨て、東京でビジネスで成功する若きエグゼクティブとなるが、虚栄の虚しさからホームレスの真似事して「自分探し」をする過程でトレパネーション手術を受けるという設定なのだが、映画ではこのキャラ設定はキレイさっぱりカットされていた。主人公の過去がわからないミステリアスな設定が魅力の作品でもあったのに、これを真面目に描かない実写化に意味があるんだろうか・・

 


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・・ということで”ケンジ a.k.a.内野聖陽”サマだが、出演シーンは短かったが、ちっともケンジ臭を感じさせない武骨なヤクザだったので、さすが内野聖陽、凄い・・・今年公開の『きのう何食べた?』劇場版が物凄く楽しみ!早くケンジに逢いたい!逢いたい!

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『モンスターハンター』 感想

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え!?モンスターハンターに、なんで、現代の軍隊が!? なんで、私が東大に!?

 

・・初めて実写化の報に接して誰もが懸念した点であるが、まぁ異世界に飛ばされた現代の軍人がハンターと共闘してモンスターと闘うというのも、アリといえばアリか。

実際にモンハンの雰囲気は出ていて、リオレウスやディアブロスなどお馴染みのモンスターのCGは迫力満点で、これまたお馴染みの大剣や双剣、弓などで少しづつ体力を削りながら、ついに巨大なモンスターを討伐するという、まさにゲームと同じ流れと興奮を味わえる。トニー・ジャーのハンターぶりも堂にに入っていて、少しでもモンハンをプレイした人であれば、ゲームの再限度の高さに驚嘆するだろう。

 

・・ただ、だからと言って映画作品としても優れているワケではなく、ラストに向けても盛り上がりに欠け、「ああ終わったな。」くらいの印象しか残らない凡作ではあった。ロン・パールマンもいきなり英語しゃべれるキャラやってんじゃねぇよ!

 

思えば実写版の1作目『バイオハザード』は、ハリウッドのゲーム映画化作品としては思いの外良く出来た作品で、ゲームとは違うオリジナル・ストーリーながらバイオらしさが十分表現されていて、ポール・W・S・アンダーソン監督、なかなか分かってるジャン!となったものだ。
同監督の『エイリアンVSプレデター』も、観る前は単なるイロモノ映画かと思っていたが、蓋を開けたら人類とプレデターが共闘してエイリアンを討伐するという激熱作品になっていて、こりゃミラ・ジョボも惚れるわ!と納得。
・・しかし、この『バイオハザード』シリーズも回を追うごとに駄作となっていき、4作目以降は目を覆うような酷い出来で、まったく何がどうなったかワケがわからない。とにかく客が入るからクソ作品でもいいから続編を作れ!と言われて惰性で作ったんだろうけど、その腐った性根を入れ替えてモンハンに挑んだのかと思ったら、結局はなんとも中途半端な出来になってしまって残念。

 

そういえば、『バイオハザード: ザ・ファイナル』でミラ・ジョヴォヴィッチのスタンドインだったオリヴィア・ジャクソンさんが、撮影中に安全性が万全でなかったスタントで大怪我を負って左腕切断した事件で、ポール・W・S・アンダーソン監督ら製作陣に対して訴訟を起こした件については、最終的にどう決着が着いたんだろうか。色んな事情はあるだろうが、スタンドインに訴訟を起こされるほど不誠実な対応をしたといった印象が拭えない。そんな観点からも、本作の中途半端さが増幅されたような気がする。

 

やはり自分のなかでの「いいポール・アンダーソン監督」は、ポール・W・S・アンダーソンではなく、『ブギーナイツ』、『マグノリア』のポール・トーマス・アンダーソンだにゃー。

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