キレがあるけど、トボけてる。
場所は三軒茶屋の世田谷パブリックシアター。
最近世間を賑わせている「せたがやこどもプロジェクト2017《ステージ編》」で、イベント名は「NEVERENDING STORY ~まちがいのコンドルズ~」。
お誘いされて行くことになったんだけど、そもそもコンドルズを知らなかった。
Wikipediaで調べたら、学ラン姿でダンス・映像・コントなどを展開する男性のみのコンテンポラリー・ダンスカンパニーとあるが、文字面だけだとどんなグループなのかさっぱりイメージがわからない。
オープニング・アウトは子供たちのダンスパフォーマンスなのだが、おそらく素人であろう子供たちの表情やダンスがいきいきとして、妙にクオリティが高い。
そうかといって玄人のキッズみたいなあざとさも感じられず、演出者の力量が相当に高いのだなーと感じたんだけど、
そういえば韓国映画『クワイエット・ファミリー』をリメイクした三池崇史監督『カタクリ家の幸福』という作品がある。
リストラされた主人公(沢田研二)が家族を引き連れ山奥にペンションをオープンするも、宿泊客が全て自殺したり怪死したりするというブラックなミュージカル映画で、振付を行ったのがコンドルズ主宰の近藤良平さんだったのだ。
ミュージカル映画なので当然ダンスシーンが多いんだけど、演者はミュージカル専門俳優じゃないから、なんとなくダンスシーンはぎこちないながら、トボけた風のダンスを実に楽しそうに演じていた。
きっと近藤良平さんが喜々として役者さんたちに振付と演出を行ったんだろうなっていう絵が浮かんでくる。
素人の小学生たちを短期間でここまでに仕上げられたのもうなづけるというものだ。
なお『カタクリ家の幸福』、クヒオ大佐をモデルにした結婚詐欺師に扮した忌野清志郎が唄って踊るという非常に貴重な作品なので、みんな是非観るように。
そしてコンドルズの登場。
むくつけき男たちが学生服を着て超絶なダンスパフォーマンスを展開するのだが、なにせトボけてるのだ。
ステージの途中で挟まれる映像もなんともユルくて味があって、そしてトボけている。
なぜか、世田谷パブリックシアターの芸術監督であるシン・ゴジラこと野村萬斎さんまで映像で登場して、トボけまくっているのだ。
コントもあり、そしてなぜか人形劇まであって、人形の造形もとにかく味があって、そしてストーリーもユルくて、限りなくトボけている。
とにかく、トボけるのもいい加減にしろよ!と思うほどに全力でトボけているのに、
それでいて全力感は感じられず、気負いもない。
でもダンスはめちゃくちゃかっこいいしパワフル。
大声をあげて笑ってしまい、そしてパフォーマンスに感動してしまうという、なんというか、なんだろう、初めての感覚。
・・・と言うことで、この乏しい語彙力では全然コンドルズの魅力が伝えられないんだけど、ライブを観たら必ず、「コンドルズ、惚れてまうやろー!」となること請け合い。
イベント終了後の全てのお客さんの顔が爽やかになっている。
NHK連続テレビ小説『てっぱん』のオープニング曲の振付も近藤良平さんだったのね。。
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