いまノリに乗っているイラストレーター・吉岡里奈さんの個展に行ってきた。
場所はなんと、旧吉原にある遊里史専門書店である「カストリ書房」。
昭和のエロスを現代アートで表現する吉岡さんの個展を開催するのに、こちらの書店ほど相応しい場所ってほかにはない!ってくらいベストマッチングな場所。
この、現「台東区千束四丁目」界隈とカストリ書房さんにはかねがね一度訪れたい!と思っており、今回、このような機会で初めて訪れることができて、ほんとラッキーだった。
最寄り駅は東京メトロ日比谷線の三ノ輪駅だが、初めてなので迷いつつ、徒歩で15分くらいかかった。
店舗前の路地から、老舗特殊浴場である角海老グループの立派な店舗が見える。本当に香ばしくていい場所。
昨年に実店舗をオープンされたカストリ書房さん、実際に伺ってみたら、ネットでみた印象よりも店内が広い!と思ったら、どうやら今年の8月に、同じ吉原内の大きめの別店舗に移転されたらしい。
店内には遊郭関連の専門書籍のほか、遊郭関連のグッズも豊富にディスプレイさていて、本当に興味深くて楽しい場所。富永一朗先生グッズなんてのもあった。
次回に伺ったら絶対に富永一朗デザインのキーホルダー買う!
さて吉岡さんの個展、すごい盛況。お客さんがひっきりなしに来られていて、開催からたった2日目なのに品切れの関連グッズがあり、無料で頂ける缶バッチ3種のうち1種も既に品切れになったそう。
今回のテーマは「快楽天国 ~ピンクチラシと昭和お色気雑誌の世界~」ということで、新作のピンクチラシ風作品、いい味だしてて楽しい!
比較的大作のこちらのオジサン、めちゃくちゃいい顔!
なお今回の展示スペースは、おそらくカストリ書房の喫茶・読書ルームだと思われるが、このスペースでアーティストの展示を行うのは吉岡さんが初めてらしい。
書店看板裏面のイラスト第1号も吉岡さん。カストリ書房と吉岡里奈の親和性の高さよ。
それにしても、今年の吉岡さんのご活躍はすごい。有名アーティストのCDジャケットデザインやらポスターとか、あちこちで目にする機会が増えている。本個展の盛況ぶりも納得だし、これからますますビッグになりそうな予感。
なお雰囲気たっぷりのこの赤いソファは、廃業した蒲田のキャバレー「レディタウン」で使われていたモノだそうだ。
「スケベ椅子テーブル」にサンプルが置かれていた今回の図録と、前から欲しかった「女たちの夜」も併せて購入。図録にはサインを頂きました。
カストリ書房内の資料室?らしきところには、全国300ヶ所を巡られたという店主の渡辺豪さんが集められた資料をまとめられたのか?、都道府県名のタイトルがついたキングファイルがひしめいていた。
石川県と書かれたキングファイルもあった。
それで思い出したが、自分の地元である石川県金沢市にも有名な遊郭がある。
なかでも有名な東廓(ひがしくるわ)と西廓(にしくるわ)はもう、取って付けたような小奇麗な観光地になってしまって面白味がないが、いわゆる赤線地帯として「石坂」(地元では「いっさか」と呼ぶ)と、青線地帯といわれる「香林坊裏」というのがある。
「石坂」はこの界隈好きの人たちには定番の人気スポットらしい。
さすがに今では見かけなくなったが、受験勉強で市立図書館にチャリンコで通っていた頃、夕方「石坂」の裏道を通ると、スナックの2階から、物憂げな表情のおねえさんが顔を覗かせていたのをたまにみることがあった。現在では廃業しているようだが、今でもこの辺りを散策すると、味わい深い赤線建築の家屋をみることができる。
そういえば「香林坊裏」でも昔は夜になると客引きのおばあさんをよく見かけたが、北陸新幹線効果で賑わっている最近では見かけなくなったような。
カストリ書房さんでは、このように時代の流れで消え去っていく運命の猥雑な場所を記録として残されている。
吉岡さんの個展はもちろん、カストリ書房も大変楽しい本屋さん。是非また訪れたい。
そして吉岡さんの個展は11月24日(金)までなので、早く行かないと缶バッチが無くなっちゃうよー!
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