ここ最近「ボリシェヴィキ」というコトバをよく聞くなと感じていた。
今、流行ってんのかな?と思っていた矢先に、『霊的ボリシェヴィキ』という映画が公開されるという。
え?なに?そのタイトル?
改めて「ボリシェヴィキ」というコトバの意味をネット上で調べてみる。
そもそもロシア語で「多数派」という意味らしく、ロシア社会民主労働党の多数派であったレーニンが、少数派 (メンシェビキ)を抑えてソ連共産党を立ち上げたということで、ソ連共産党の前身をも意味するという。
ということは、「霊的多数派」的な?それともレーニンとかスターリンの霊や共産党の霊の話か?
なんじゃそら?
監督は、あの黒沢清監督の『蛇の道』や佐々木浩久監督の『発狂する唇』の脚本を書き、そして問題作『ソドムの市』をものした高橋洋。
きっと、ワケのわからない作品に違いない。
※あ、『ソドムの市』といってもパゾリーニのソドムの市じゃない、「市」は座頭市の「市」のほう
主演は鈴木清順監督の『ピストルオペラ』で鮮烈なデビューを飾った韓英恵ちゃん。
彼女をスクリーンで観るのは『ピストルオペラ』以来なので17年ぶり。
そして場所は渋谷のミニシアター「UPLINK」(アップリンク)。
こちらの劇場内のイスは独立したソファみたいになっているので、かなりゆったりと鑑賞できる、というか、すごくリラックスできる。
なので、妻はゆっくりお休みできることだろう。
・・・と思って劇場に入ったら、最後列の席を予約してたんだけどこれが失敗で、最後列の座席だけはリクライニングになっておらず、かつ前席との間が狭いのでちょっと居心地が悪い。
しかも空調が効きすぎてちょっと肌寒く、これ、妻は観劇中にちゃんと寝ることができるかちょっと心配だった。(ということで「UPLINK」の場合は最後列は予約しないほうがいいことを学習した)
つーことでこの映画、いったいどんな映画なの?
「霊的」というからにはホラー映画のようだけど、なんせ監督は高橋洋。
物語は、降霊のため、実験室のような場所に集う7人の男女のうち、過去に人の死の瞬間に立ち会った経験がある被験者の5人が、自身の恐怖体験を語り合うシーンから始まる。
冒頭、オープニングのクレジットとともに、いきなり出演者が全員「ボリシェヴィキ党歌」をロシア語で合唱するという狂ったシーンが始まった時点で、本作は『女優霊』や『リング』、『呪怨』などの高橋洋作品ではなく、『発狂する唇』や『血を吸う宇宙』、『ソドムの市』の高橋洋作品だと瞬時に理解できた。
なので本作は、ワケのわからないストーリーとセリフを、役者が真剣に、しかしちょっとだけ舞台での演技のように大袈裟に演じるのを楽しむ作品。
自分的には楽しい作品だったし、本作をわざわざ劇場まで観に来るような物好きな観客も一意に肯定的な感想しかないだろうけど、世間一般的にはこの作品を面白いと感じる人は少ないだろう。
そんな、一部のコア層にしか評価されないような作品で真剣な演技をして、さらには鳥肌実バリのペンギン走りまで披露した韓英恵ちゃん、きっと何度も、なんでこの映画でこんな演技してるんだろう?と疑問に思ったことだろうけど、観てる人は見てるから大丈夫!これからも頑張って!
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