okurejeの日記

フィギュアや映画や本などについて、ゆるく書かせていただきます。

『ターミネーターニュー・フェイト』 感想

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ダダンダンダダン!ダダンダンダダン!

 

「『ターミネーター3』以降の作品はワシは認めんけぇ。この『ターミネーターニュー・フェイト』こそが『T2』の正統な続編じゃけんのぅ!」
ジェームス・キャメロン翁がここまで言い切った最新作だし(とは言えキャメロンは製作総指揮のみで監督はおろか脚本すら携わっていない)、シュワはもちろん、サラ・コナー役に還暦を過ぎたリンダ・ハミルトンを起用するなど、制作陣の本気度がヒシヒシと伝わってくる。

 

プロモーションも大掛かりで、新宿駅地下プロムナードの円柱にも3Dプリントで作られたという新型ターミネーター「REV-9」の立体造形物がニョキニョキと出現!(11月3日までだったので現在は終了している)

 

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歌舞伎町のTOHOシネマズ新宿でも、『ターミネーター2』の伝説的ラストシーンの溶鉱炉とT-800のサムズアップを再現するなど、力の入った演出に抜かりはない。

 

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ここまで演出されては、こちらとしても多少の期待を抱いてしまうのはしょうがないところだ。

 

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劇場プレゼントのクリアファイルもカッコいい!

 

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さて本編だが・・・

冒頭から展開される、新たな敵ターミネーター「REV-9」と、味方である強化人間グレースとの迫力ある攻防戦、そして、危機に陥ったグレース達を助けるために「待たせたな」バリに颯爽と現れた老サラ・コナーのケレン味!
とにかく序盤からスピーディーかつ迫力ある展開で、これはもしや傑作の予感??


・・・しかし最終的な感想は、「あれ?・・これターミネーター2と同じ話じゃね?」

結論としては、『T2』以降の過去作の重要な要素を含んだ『T2』の焼き直し作品であった。

 

まず新ターミネーターである「REV-9」だが、これはもう『T2』の「T-1000」そのもの。

次に『ターミネーター3』の要素だが、この作品のウリは女性型ターミネーター、クリスタナ・ローケンが演じた「T-X」だろう。今回の『ターミネーターニュー・フェイト』では、ターミネーターでこそないが、身体機能を強化してターミネーターと互角に戦うことが可能な強化人間グレースがソレに当たると考える。
お次の『ターミネーター4』は本シリーズ中、唯一過去にタイムスリップしないという、ある意味、ターミネーターとしては新機軸な作品だったが、この作品では、サム・ワーシントンが演じた、自らの体を機械化したマーカス・ライトが、人間とターミネーターとの中間の存在として物語の重要なキャラクターを担っていたが、『ターミネーターニュー・フェイト』では、言うまでもなくグレースがその役割だろう。
そして5作目となる『ターミネーター:新起動/ジェニシス』だが、これは何といっても、還暦をとっくに過ぎたシュワちゃんの老いたビジュアルが、「経年によって生体組織も老いて行ったターミネーター」という見事なこじつけに成功したターミネーター作品として歴史に残る一作であり、『ターミネーターニュー・フェイト』でも、なんの断りもなく当然のようにその設定を継承していた。

キャメロン翁は、『ターミネーター3』以降の作品はあたかも無かったものとして語っているが、『ターミネーターニュー・フェイト』はこのように、『ターミネーター3』から『ターミネーター:新起動/ジェニシス』までの過去作から重要な設定やプロットをちゃっかり拝借している作品といえる。

また、『T2』を焼き直したようなストーリーラインも今一つ雑で、例えば、強化人間のグレースだが、強敵である「REV-9」を倒すための決定的な策を持たないまま、言うなれば行き当たりばったりで未来からやって来てたり、サラ・コナーにしても、過去に何度か未来から送り込まれたターミネーターを単独で破壊してきたと豪語していたが、今回の「REV-9」にはさすがに単独で勝つなんて無理・・
・・というか、「REV-9」にもドヤ顔でロケットランチャーで対抗してたけど、ロケットランチャーがサラにとっての最強の武器だとしたら旧型のターミネーターにも勝てない気が・・
何より、これだけバンバン未来からターミネーターが送られてくるんじゃ、これからもどんな設定でもアリにならないか?『T2』からの正統な続編という割に、設定が安易じゃないか?と思わざるを得なかった。

 

しかし決して面白くない作品というワケではなく、最新のVFXを駆使したバトルシーンは超絶に迫力があるし、何といっても本作で一番良かったのは、マッケンジー・デイヴィスが演じた強化人間のグレースだろう。長身でボーイッシュなマッケンジー・デイヴィスがとにかくカッコ良かった。・・というか、ベースが『T2』なので面白いのはある意味、当然かもしれない。

 

それにしても、あまりにも『ターミネーター2』過ぎるだろ、と観終わった後に思わずつぶやいたら妻に、「ターミネーターなんだからしょうがない!」と言われて一瞬言葉を返せなかったが、「~だからしょうがない」で済ませていい話なんだろうか。それって、あまりにも思考停止なのでは?
日本人が全部そんな思考になってしまったら、ますます日本という国は後退してしまうのではないだろうか。

・・・アベ政治を許さない。

 

ダダンダンダダン!ダダンダンダダン!

 

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