okurejeの日記

フィギュアや映画や本などについて、ゆるく書かせていただきます。

『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』 感想

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【もちろんネタバレあり!】

たまたま仕事が休みだったので公開初日に観に来ただけで、この作品を待ち望んでいたワケではないけど、エンドクレジットで拍手が起こったり、ライトセーバーを振り回したりする観客の反応を見れたので、やはり初日に鑑賞できたのはよかった!

今回はまさかのダース・シディアス再登場という荒業を使ったJ・J・。一見うまく物語をまとめように見えたが、いやいや、やっぱディズニーとJ・J・がやらかした今回の続三部作(シークエル・トリロジー)はアカン作品でしょう!ということを語ってみますね。

そもそもデイジー・リドリーが演じた「レイ」というキャラクター、いったいお前は誰?なんでジェダイの修行もしてないのに最初からライトセーバーで敵のリーダーであるカイロ・レン(弱そうだったが)を倒せるんだ?

・・という、前2作まで誰もが疑問に思っていた彼女の素性が今回明らかになる。なんとパルパティーンの孫だったというまさかの設定。なるほど!パルパティーンの血筋だったら最初からフォースや殺陣が強いのも納得・・・
・・・って、なるかーーっ!


「この作品はスカイウォーカーという家族の物語なんです」と語るJ・J・のコトバ通り、ダース・ベーダー=アナキン・スカイウォーカーから始まる壮大なストーリーは、アナキンの孫であるカイロ・レン=ベンが、自らの命と引き換えに死から蘇ったパルパティーンの孫であるレイが、「スカイウォーカー」という名前を受け継ぐことで長大な9部作品を締める、という流れは一見、納得感はあるんだけど、それにしても、一度死んだパルパティーンをまた出演させるのは、さすがにやり過ぎだろう。
せめて、かつての銀河帝国の皇帝パルパティーンの末裔、くらいにしとけばいいのに。しかも、またもやダース・シディアスの「手からビーム」攻撃で主人公が危機に陥るシーンをこの期に及んでも見させられることになるとは・・・

 

アダム・ドライバーが演じたカイロ・レン=ベンだが、前作の『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』では、一見、ダークサイドからライトサイドに戻って来たか?と思わせながら、実は悪人のままだった、という展開はなかなかケレン味があって良かったんだけど、今作ではストーリーの展開上、ライトサイドに「帰還」しなければいけないのはしょうがないにしても、その改心の仕方があまりにあっけなく、「え?それくらいでダークサイドから戻れるの?」となる。もうちょっと脚本を練らんかい!

とにかくこの三部作、中学生が脚本書いとんのかい!というくらい雑な設定や不要なストーリーも多い。本作では例えば、パルパティーンの居場所を示すコンパス探しや、C-3POのメモリー解読屋を探すシーンなど、本筋だけをしっかり描くという名作映画のセオリーからはしっかり逸脱してる無駄なシーンが多すぎる。

またサイド・キャラクターもイマイチで、まずはポー・ダメロン。
とにかく2015年公開の『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』はもう一度観る気がしなくてストーリーも忘れかけていたので、なんでこのキャラクターがこんなに目立ってるの?となったが、そもそもこの人ってなんだっけ?おそらくハン・ソロ的なキャラクターの位置づけなんだろうけどイマイチ、キャラが弱いので印象に残らない。

そして、元ストームトルーパーだったフィン。

ファースト・オーダーの悪辣ぶりに嫌気がさして帝国軍から抜け出すという設定は面白いのだが、これもキャラ設定がしっかりしていないので、イマイチ立ち位置がよくわからない人になっている。
というか『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』では、アジア人ということでファンから謂われない人種差別を受けたケリー・マリー・トランが演じたローズとイイ仲になったと思ったら(前作では大活躍していたローズが、ファンからの大パッシングを受けて今作ではジャー・ジャー・ビンクス並みに低い扱いになっていたのにはワロタ)、今作では、同じく元ストームトルーパーだっというナオミ・アッキーが演じるジャナとイイ仲になるのかな、と思いきや、結局ジャナは老ランド・カルリジアンに取られ、やっぱりレイが好きなのかな?といったワケがわからない男になっていて、いったいJ・J・はこの人たちをどうしたかったのか、ちゃんと解説して欲しい。
・・・てかフィンがレイに言いかけたコトって何だったんだ!なんで明らかにしないまま「~Fin」ってなっちゃうんだYO!

 

そして今作のラストがまたいやらしい。レイが惑星タトゥイーンの、ルーク・スカイウォーカーの叔父夫婦の旧家の庭にルークとレイアの2本のライトセーバーを埋め、沈みゆく2つの太陽を見つめながらエンドクレジットになるという、オールド・ファンに「泣いてくだせぇ!」と言わんばかりのコッテコテ演出。とにかくJ・J・は映画を「壮大っぽく」作るのが上手い監督だな、とはつくづく思った。

 

それにしても、昨夜テレビで放映していた前作『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』を観たら、やっぱり『スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲』を焼き直しているなぁと改めて思ったが、言わずと知れた『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』は単なる『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』のコピーだし、今作もまんま『スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの帰還』である。

かつてジョージ・ルーカスがインタビューで、「スター・ウォーズ全6作は私の子供だ。私が作り、非常に密接に関わり、それを愛している。私はそれを奴隷業者に売ってしまったのだ。」とぶっちゃけて、関係者からめっちゃ怒られたのか後で慌てて謝罪してたけど、そのインタビューで彼は「私はSWを単なるSF映画だとは思っていない。SWはメロドラマであり、すべての家族の問題を描いているんだ。ところがディズニーは(SWを)メロドラマではなく、ファンを喜ばせるためのレトロ(懐古趣味)なSF作品にしようとしていた…」と語っていたが、まさにディズニーとJ.Jは、壮大なオールド・ファンへの接待作品を作り上げたんだな、というのが、この三部作を観ての自分なりの感想だ。

やはりスカイウォーカーのサーガを締め括る最後の三部作も、どんなに駄作でも良かったからジョージ・ルーカスに創って欲しかったな・・・

 

 

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