10月3日から10月12日まで開催されていた、太田翔さんと川合喬太さんの二人展『めろめろ迷路』に。
場所は横浜中華街のギャラリーソコソコ。
今年初の横浜中華街となってしまったが、新型コロナ禍の影響をモロに受けた中華街の人出はまだ戻りきっていないようだった。休日となれば観光客でごった返す中華街だが、人出は通常の6割くらいだろうか。閉店されたお店も散見され、早く往時の賑わいを取り戻してほしいと思った。
そしてギャラリーソコソコは、中華街の盛衰などまったく無関係といった風情でそこにある。
なお展示会場の設営はおなじみのマンタム氏。
川合さんの作品も太田さんの作品もどちらも不穏だが、気味の悪いクリーチャーと、建物をびっしりと描くドローイングを製作する太田さんの作品には圧倒された。
在廊されていた太田さんに作品解説をして頂いたが、建物のドローイングは、街で目に付いた気に入った建造物(住居であったり工場であったり)を、数種のボールペンなどで描いているそう。
びっしりと積み上げられた建物群を眺めていると、不穏な気持ちになりながらも、どこか気分が落ち着いてしまうヒーリング効果もあったりする。
なお当初は建物内に人物も少しは描いていたけど、最終的に人物などの生物は絵画からは切り離し、クリーチャーなどの造形物として表現することで、テーマを住み分けられた、とのこと。
太田さんのクリーチャーもいい感じで、デヴィッド・リンチやデヴィッド・クローネンバーグの映画に出てきそうな気色悪さが素晴らしい。
鑑賞者をすべて不安な気持ちにさせる川合さんの作品群。
新作だろうか。なぜかイチゴが描かれていて「なぜイチゴ?」となってしまうが、太田さん曰く、「川合さんの場合、特に深い創作理由はなく、単なる思い付きだと思います。」とのことだった。
なお太田さんと川合さんは同い年だそうである。
お二人の不穏な作品が、マンタム氏の設営でさらに不穏さが増し、いい不穏空間で鑑賞できてよかった。また、初めてお目にかかった太田翔さんがいいキャラクターでよかった。