okurejeの日記

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『アメリカン・ユートピア』 感想 ~素晴らしい作品

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遅ればせながら話題作『アメリカン・ユートピア』を観たのだが、コレ、ここ数年間観た映画の中でも出色の出来だと思った。

 

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観るまでは正直、ふーん、デヴィッド・バーンのライブ映画か~。そして予告を観たらトーキング・ヘッズの楽曲だったので、あ~また『ストップ・メイキング・センス』か~。くらいの印象で、あまり興味もなかったんだけど、なぜかヒットしていると聞いたので、特に期待もせず観に行くことに。

・・で、確かに劇中の楽曲の半数以上はトーキング・ヘッズ時代のヒット曲だし、そもそも80年代のトーキング・ヘッズのライブ・パフォーマンスが既にスタイリッシュかつ前衛的だったので、『アメリカン・ユートピア』それ自体が斬新かというと、・・いや、実は当時とそれほど変わらないパフォーマンスをしているとも言えるのだが・・
ではなぜ、この作品にこれほどの驚きを感じてしまうのか。

 

要素はたくさんあると思う。

 

とにかく70年代から前衛的だったデヴィッド・バーンのパフォーマンスが、古希を目前にして衰えるどころか物凄く円熟味を増して、とてつもなく説得力があったということ。
『ストップ・メイキング・センス』の頃(1984)のデヴィッド・バーンはエッジが立ちまくっていて、観客を全て斬るかのような、来るものを寄せ付けないような孤高のイメージがあったが、さすがに老年期を迎えて丸くなったというか。ビジュアルが老哲学者のようで、発するメッセージは観客に素直に伝わってくる。そしてなにより、ヴォーカルの衰えが全く感じられなかったのには驚いた。
画像だけみると「デヴィッド・バーンも爺さんになったなぁ」なんて思うのだが、トーキング・ヘッズ時代とあまり変わらない声量だったので驚嘆した。

 

劇中でデヴィッド・バーンが、バンドの演奏はオケだろうとあらゆる人から聞かれるので、生の演奏であることを証明するためにメンバー紹介時に個別に演奏させるシーンがあったが、あのシーンを観ても「ホントにライブ演奏なの?」とイマイチ信用できなかったほど、11人のバンドメンバーの演奏、パフォーマンスが完璧すぎた。
全員同じグレーのスーツを着込んだバンドメンバーが、一糸乱れぬ呼吸で演奏しながら歌い、踊りまわるパフォーマンスを観て、なぜコンサート形式ではなくショー形式のブロードウェイ・ミュージカルでこのライブを表現したのか合点がいった。多様な人種の外部メンバーと奇妙なダンスを踊りながら歌う演出は『ストップ・メイキング・センス』でも既にやっていたのだが、今回のようにショーアップされると、とても斬新な映像に感じてしまう。

 

映画後半からスパイク・リー色が強くなったが、だいたいの彼の映画のラストにおいて、白人による迫害や差別を厳しく糾弾するのは同じブラザーなのに、今回は白人であるデヴィッド・バーンがその役を担わされていたのが興味深かった。とにかく白人には全て噛みつくイメージのスパイク・リー監督とデヴィッド・バーンに交遊があり、しかもコラボまでしてしまうとうのも「ニューヨークの奇跡」みたいで面白かった。

 

また、日本語字幕の字幕監修がピーター・バラカン氏であったのも良かった。
デヴィッド・バーンの歌詞やMCの正確なニュアンスを短い字幕の文章に正確に落とし込まれたかをチェックできるのは、ピーター・バラカン氏をおいて他にいないだろう。字幕の内容も同じように響いてきた。

 

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それにしても、時代がようやくデヴィッド・バーンに少し追いついたか、と思わせるような本作のヒットぶり。この作品は、やはり劇場の大スクリーンで観た方がいいでしょう。(すぐにCDも買ってしまった・・)

 

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アメリカン・ユートピア

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