okurejeの日記

フィギュアや映画や本などについて、ゆるく書かせていただきます。

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『劇場版「きのう何食べた?」』 感想

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テレビドラマの劇場版をわざわざ映画館まで観に行くなんて、生涯で初めてかもしれない(しかも公開初日にいそいそと・・)。

だいたい日本のテレビドラマの劇場版なんてアホらしい!と小馬鹿にしていたが、テレビ東京系「ドラマ24」の『きのう何食べた?』はとにかく秀逸すぎて・・
アマプラでもヘビロテしてる大好きな作品なので、正直、劇場版は楽しみだった。
映画館では公開初日ということもあるが満員御礼、グッズも売れまくっていた。

 

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さて、劇場版。
ドラマ版とは違って、軸となるメインストーリーの起承転結を2時間かけて描くのかと思いきや意に反して、秋から翌春にかけてのなにげない日常を淡々、ほのぼのと描いていくという、ある意味ドラマと同じ構成になっていた。
冒頭の京都旅行シーンはさすがにスペシャル感はあったが、あとは特に大きなエピソードも交えず、どちらかといえば地味な印象で、少し脚本にまとまりのなさ、冗長さも感じた。
また劇場版なので、お馴染みの人気キャラクターも漫勉なく登場させる必要があるせいか、田中美佐子演ずる佳代子さんの登場シーンには若干の取って付け感が・・。あと驚いたのは、まさかのジャニタレ投入。未だにこんなことやるのか・・とは思ったが、松村北斗(SixTONES)の役柄がとても面白くて、これはこれで良かった。

・・とは言え、やはり鑑賞中は何度も泣かされてしまった。ハンカチはあらかじめ手元に用意しておくべき。・・しかし、なぜこのドラマは泣けるのか。

 

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LGBTの尊厳については近年大きなテーマであり社会にも浸透してきているが、自分の身近にLGBTの方がいないため、この作品でゲイについて初めて知ったことも多い。
例えば、同性カップルは長続きしないということ。
確かに結婚すると、本人以外にも両家の両親や親族などとも関係ができるし、子供ができてしまえば、なおさら共同生活の欠くべからざるパートナーとなるため、簡単には別れられない。
同性カップルはそういったシガラミもなく関係解消しやすいため、長続きしない確率が高いがゆえに、お互いの関係を維持するためには異性カップル以上に気遣いする必要があるだろうし、これはこれでしんどいだろう。


あとは、自分が同性愛者だと気づいた子供の頃から現在まで続いていく、親族や他者からの、意識的、もしくは無意識的な差別や誹謗中傷。
日常的なありふれた事といなしても、やはりストレスとして蓄積されていく。
そんな悲しみの蓄積が溢れだすように、ふとしたキッカケで流れるシロさん(西島秀俊)の涙をみたら、こちらも思わずもらい泣きせずにいられない。

 

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そういえばドラマ版の第8話で、ヨシくん(正名僕蔵)とテツさん(菅原大吉)カップルと自宅で食事をするシーンの、ヨシくんの「僕が歯を食いしばって貯めた金を、田舎の両親にびた一文渡したくないんです」というセリフは、思い出しただけでいつも泣けてしまう。

基本はほんわかして明るいドラマだが、性的マイノリティの苦悩もテーマとしてしっかり描いているところがこの作品の素晴らしさであり、人気がある所以だと思う。

 

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なお劇場版は、既刊18巻まで出版されている原作コミックの第8巻がベースになっているらしく、そうなると原作も読んでみたいのだが・・
実はよしながふみ先生の原作、kindlで無料だった第2巻までしか読んだことがなく・・
なぜかというと、おそらくこの作品の目玉とも言えるシロさんの料理シーンのセリフが、料理に興味がない自分にはどうにも苦痛で・・ 数コマなら我慢するのだが、数ページにも及ぶ料理シーンのセリフは読んでも全く頭に入らないのでつい飛ばしてしまう。ドラマの料理シーンはヴィジュアルを追うだけなので観てて楽しいのだが・・

 

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読まないページが数ページもある漫画にお金を出すのを躊躇しているのだが、本編は間違いなく面白い。シリーズ開始当初は43歳だったシロさんも、18巻では既に四捨五入すると還暦の年になっているそうで・・・
ケンジとシロさんが歳を重ねていくさまを原作で味わいたいのだが・・やっぱ続巻も買ってくか・・

なお劇場版でも、薄毛や病気など、老いを意識する二人の様子も描いておりとても興味深かった。

 

映画作品としては多少の物足りなさも感じたけど、やはり思い返してみるといいストーリーで、老いを意識しながら、ますますお互いを思いやるようになるケンジとシロさんを堪能出来て良かった。
あ、初登場の、ケンジの母ちゃんと2人の姉ちゃんとのシーンも見もの!

この勢いで、ドラマ版もシーズン2ができるのを楽しみにしています。

 

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