okurejeの日記

フィギュアや映画や本などについて、ゆるく書かせていただきます。

『仮面ライダーオーズ 10th 復活のコアメダル』 感想

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よくよく考えたら今まで仮面ライダーを映画館で観たことはなくて、そこらへんはさすがに大人としての矜持というか、そういう最低ラインは超えるべきではないと潜在意識にあったのだが、朝目覚めてYahoo!ニュースで、「仮面ライダーオーズ」の10年ぶりの新作となるVシネマ作品が、期間限定上映中との情報を得た。
・・これは・・「乗るしかない このビッグウェーブに!」ということで、新宿はバルト9のチケットを当日慌てて予約。どの時間帯も空席が殆ど埋まっており、わずかに空いていた端っこの席をギリギリ確保。

 

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バルト9のロビーには、明らかにオーズ目当ての「大きいお友達」がひしめき合っていて、祭り気分も最高潮の様相。本来のターゲットである小さいお友達の姿は数えるほどしかいなかった。
平成ライダーのなかでも、『仮面ライダーW(ダブル)』と1位2位を争うくらいの人気作であり、しかも当時のキャストが10年ぶりに集結した奇跡の作品ということで、(自分を含めて)都内のボンクラ達もそりゃ盛り上がるってものだ。

 

さて隅っこの席に落ち着いて上映開始を待っていたら、自分の隣に座った30代くらいの子連れの男性が、劇場が暗くなって予告編が始まっても、ずっとスマホでポケモンGOをやっている。
・・ちょっと不安になったが、さすがに本編が開始したらスマホは、電源は落とさずともしまうだろうと思っていたが・・・なんと本編が始まっても、作品をチラ見ししつつも、まだポケモンをやっているのだ!
彼の息子は身を乗り出してスクリーンを凝視しているのに、その息子の範となるべき肝心の父親が、映画館で上映中にスマホの電源を落とすという、社会人として当然のマナーを全く守れない原始人レベルだという・・
もうね、こっちも隣でスマホ光らせられて気が気ではなかったのだが、それでも物語に集中しようと思ったのだが・・・なんか本編がちっとも面白くならない。

 

舞台はなぜかディストピアになっていて、かつての登場人物たちはレジスタンスさながらアサルトライフルを持ち怪人と闘っているが、前日にハリウッド大作映画を観ているせいか、どうしてもチャチで薄っぺらい戦闘シーンにしか見えない。お待ちかねのオーズやバースの登場シーンも、ケレン味のまったくない演出のせいか、カッコいい着ぐるみを着たヒーローが出てきたな、という印象しか受けなかった。
相変わらず隣のバカはコソコソとポケモンをプレイし続けているが、注意でもしようものなら、「ハぁ?こんな子供映画を何マジで観ようとしてんの?」とでも言われそうで(言うワケがないが・・)、実際にスクリーンで展開されているドラマは、子供向け作品の域を出ていないクオリティであるのは明らかだった。というか、子供でも素直に喜べないほど抑揚のないドラマだと感じた。なので、「まぁポケモンしたくなるのもしょうがないな・・」(いや、全然しょうがなくないのだが!)という気分になり、最後まで注意することができなかった・・

 

思えば自分もかつては、仮面ライダーなんて子供向けコンテンツだろうと小馬鹿にしていたが、ひょんなキッカケで劇映画用の仮面ライダー(『仮面ライダー×仮面ライダー オーズ&ダブル feat.スカル MOVIE大戦CORE』)を鑑賞してから、その認識を改めてしまった。
特にW(ダブル)のエピソードである『仮面ライダースカル メッセージforダブル』の、小気味のいい粋なセリフと脚本、ケレン味あるライダーのアクションシーン、俳優の真剣な演技など、決して視聴対象を子供向けだけに作っていない姿勢に感銘を受けて、後付けで、いくつかの平成ライダーシリーズを立て続けに視聴したものだ。
とは言え全話を全て観たシリーズは、『仮面ライダー響鬼』と『仮面ライダー電王』、『仮面ライダーW』、『仮面ライダーオーズ/OOO』だけだが、どの作品もまさに、子供だけでなく大人でも十分に楽しめるコンテンツだと思った。
これらの作品は10年経った今でも根強い人気を誇っているが、これは大人も認めた作品でなければ、長らく愛される作品にはならないという証左ではないだろうか。

 

『仮面ライダーオーズ 10th 復活のコアメダル』に話は戻るが、結局ラストまで、お世辞にもメモリアルに相応しい見事な作品と言えないクオリティで終わってしまった。これは決して、上映時間1時間という尺の短さが問題ではない。思うに作品に力があったら、いくらオーズに興味のないバカでも、いつしかポケモンをプレイすることも忘れて映画に没頭するハズなので、これはやはり作品にその力量が不足していたことが原因。田﨑竜太監督でもこのありさまである。なぜ脚本を靖子にゃん(小林靖子)に任せなかったんだろう・・

なお鑑賞し終わってから、本作の評価が低いのを初めて知ったのだが、多くの人がその理由を、本作の結末のせいだと言っているようだが、結末うんぬん以前に、ケレン味の全くない、ありきたりな演出と脚本が、『仮面ライダーオーズ/OOO』という良質なコンテンツの評価を下げたとしか思えない。
というか、平成ライダーだが第14作目の『仮面ライダーウィザード』以降、大人の視聴に耐えられない、単に玩具を売るための作品に成り下がってきていると思うのだが、これは何故だろう?令和ライダーもチラッと視聴してみたが、やはりそれほど魅力的な作品に感じられなかった。いや、本来のターゲットであるお子達が喜んでるんならそれでいいんだけど。

 


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・・しかし今回は、『ザ・バットマン』でさえ購入しなかったパンフレットを鑑賞前にイキって事前購入したというのにこのありさま。。映画終了後、次の上映回をキラキラした目で待っているたくさんの大きいお友達の行列を横目で虚しく眺めながら、帰途につきました。

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