okurejeの日記

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『ガンパウダー・ミルクシェイク』 感想

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「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」シリーズのネビュラ役としてお馴染みのカレン・ギラン主演のガン・アクション作品。 

 

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ナヴォット・パプシャド監督の前作がタランティーノに絶賛されたという触れ込み通り、もろ女囚さそりの梶芽衣子の衣装をオマージュしたり、『SF サムライ・フィクション』をオマージュした『キル・ビル』のシーンをオマージュするなど、タランティーノに大きく影響を受けたと思われる作品だった。

 


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カレン・ギラン演じる主人公のサムは、彼女が12歳の頃、理由を語らず失踪した母親と同じ、凄腕の殺し屋として組織内でも一目置かれる存在だった。ところが、とあるミッションで有力マフィアのボスの息子を殺害し、さらに彼女が所属する殺し屋組織(ファーム)の資金を盗んだ会計士の娘を匿ったことで、有力マフィアと所属組織から狙われる身となってしまう。そんな彼女を助けるために、15年ぶりに姿を現した母親と、かつて母親の仕事仲間であり、図書館の女性司書を隠れ蓑としている3人の武器調達屋の女性が立ち上がる・・

 

まずアクション演出は目を見張るものがあり、長身のカレン・ギレンのキレッキレのアクションも素晴らしく、観ていて惚れ惚れするほど。さすがに前作をタランティーノが絶賛するだけのものがあり、アクションシーンに関しては、ここ数年に観たアクション映画のなかでも出色の出来だと感じた。

・・ただ、設定とストーリーがガバガバというか・・・
まず、タイトルにもなっているミルクシェイクだが、冒頭に主人公が2回ほど飲むだけで、特に物語の軸になっているワケでもない。主人公の母親が失踪する原因はそれほど大した理由でもなく、なぜ母親の仕事仲間の3人の女性が、図書館の司書を隠れ蓑として武器調達屋になったのかもちゃんとした説明がない。現在のNHKの朝ドラ『カムカムエヴリバディ』も、なかなか大雑把なストーリー展開でビックリするが、過去の話の伏線を雑ながらも回収しようとするだけマシなのかな?とも思うが、本作は伏線も無いに等しいくらい浅いので、回収されても驚きもない。各々のキャラクター設定も甘すぎて、役者はいいのに感情移入ができない。せっかくアクション演出はいいのに・・


ヴァイオレンスもストーリーも群を抜いている作品といったら、過去はタランティーノ作品、ここ数年では『キック・アス』や『キングスマン』(1作目のみ)(・・というか全てマシュー・ボーン作品か・・)しか思い浮かばないが、本作は残念ながらそこまでの作品にはなり得なかった。

 


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なお、最近の「ミシェール・ヨーに頼りがち」な作品、『コンティニュー』や『シャン・チー/テン・リングスの伝説』と比べると、カンフー・シーンが無いにも関わらず、ミシェール・ヨーのカッコよさが群を抜いている作品ではあった。ミシェール・ヨーの魅力をよく理解している監督である、ということは言えるだろう。

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