okurejeの日記

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『シン・ウルトラマン』 感想

 

待ちに待った『シン・ウルトラマン』。
さっそくIMAXで観てきました!

 

 

完全に『シン・ゴジラ』と同等の驚きを得ることを期待して観に行ったので、その観点では思ったのと違う印象を受けたが、結果的には好きな作品になった。ただ、どうしてもアレコレと違和感も感じたので、それについて述べてみたい。ネタバレありなのでご注意を。

 

 

【ストーリーに一貫性がない】
『シン・ゴジラ』については、未確認生命体ゴジラが突如、現代日本に出現し大きな厄災をもたらすが、日本政府や自衛隊、米軍、民間企業などが官民あげて全力で対策するというシンプルかつ一貫したストーリーであり、ラストに大いなるカタルシスも味わえる。対して『シン・ウルトラマン』では、もともと1話完結30分で全39話のドラマより、数話をピックアップして1つの物語としているため、一気通貫でストーリが進行せず、散漫な印象を受けてしまった。エピソードの繋ぎが上手くいかなかったのか。

 

【『シン・ゴジラ』で観た】
『シン・ゴジラ』は、想像を超える厄災が発生した際の日本政府の対応あるある、自衛隊が怪獣を攻撃する場合の現場の雰囲気、政府の特別対策組織のお役所っぽいリアルな在り様など、過去の特撮映画を現代にリアルな作品として落とし込むことに見事に成功している。対して『シン・ウルトラマン』。国家を挙げての怪獣=「禍威獣」対策となるため、やはり国家首脳や自衛隊などが当然ながら多く登場する。ただ、既に『シン・ゴジラ』で観た演出で、かつ関係者の人数や戦闘規模もミニマムなので、「・・これシンゴジで既に視た・・しかもスケールちょっと小さい・・」とならざるを得なかった。

 

【オリジナル知らないと不明なシーンがある】
『シン・ゴジラ』の場合、過去の数々のゴジラ映画や特撮作品を知らなくても楽しめたし、なんなら自分は初代の『ゴジラ』(1954年)は未だに観ていないし、これからも取り立てて観たいとも思わない。
対して『シン・ウルトラマン』は、コアな特撮ファンである製作陣の意向がモロに出たようで、オリジナルを知らないとよくわからないエピソードも多かった。
例えば、長澤まさみ演ずる浅見弘子が外星人メフィラスに巨大化させられるシーンは、オリジナルでも有名なエピソードらしく、コアなファンなら、「なるほどあのシーンのオマージュね」となるんだろうが、過去作なんて記憶にない自分にとっては、こんなシーン必要?と感じたほど、大したエピソードとは思えなかった。
「オリジナルを知っていたらより楽しめる」シーンならまだいいのだが、「オリジナルを知らないと意味不明」なシーンは、少なくとも『シン・ゴジラ』では存在しなかったので、この点は残念だった。

ただ、外星人の話し言葉が当時(昭和41年)のような古臭いセリフ回しになっている、ウルトラマンの飛行シーンや飛行時の回転シーンをあえてミニチュアぽいCGで表現しているなどの演出は、クスっとなって微笑ましく思った。

 

【禍特対がほぼ役に立っていない】
オリジナルの科特隊(科学特捜隊)を現代的に置き換えるには、『シン・ゴジラ』での巨災対(巨大不明生物特設災害対策本部)のように、各省庁などのエキスパートを集めたスーツ組に設定したのは正しい。・・ただ、巨災対は彼ら自身の知識と経験をフル回転させて見事ゴジラを制圧したが、禍特対(禍威獣特設対策室)については、禍威獣退治に見事に役に立っていない・・
ウルトラマンが地球に現れるまでは何体か禍威獣を制圧したらしいが、序盤にサクッと静止画のみで紹介されただけで、ホントに禍特対のお手柄なの?と疑いたくなった。

結局、物語の序盤からウルトラマンが現れてからというもの、禍特対は禍威獣が現れた現場に急行するだけで、禍威獣退治は全てウルトラマンにお任せである。
しかしラストでやっと、ウルトラマンでも歯が立たなかった「天体制圧用最終兵器ゼットン」の破壊方法を、ウルトラマンから授かったデータを元に対策立案するが、それもウルトラマンありきの、よくワケがわらかない計画。いかにも取って付けたようなシナリオに感じた。これも残念。
せっかく、西島秀俊や長澤まさみ、田中哲司など、優秀でクセもある俳優を揃えたのに、人間パートの禍特対が全く役に立たない組織だったので、名優の無駄遣い感が強かった。・・もう少しストーリーは何とかならんかったか?

 

それにしてもなぜ、「ゾフィー」ではなく「ゾーフィ」が、オリジナルでは敵だったゼットンを起動させたのか不思議だった。鑑賞後に調べたら、オリジナルの初回放送時、児童雑誌等の誤記で、「宇宙恐竜ゼットンを操って大暴れする宇宙人ゾーフィ」と、ウルトラマンの敵として紹介されてしまった小ネタが元になっているらしい。

いやさすがにそんなの、特撮ファンやコアな初代ウルトラマンのファンしか知らないだろう・・

 

 

総じて『シン・ウルトラマン』は、オリジナルの設定や当時のネタなどを盛り込み過ぎて無理なストーリー展開になってしまっており、かつ、一見さんには初回で予備知識なく楽しめる作品にもなっていない側面が見受けられるが・・それでも本作は、いい作品だったと思う。

 

 

【とにかくウルトラマンのビジュアルと格闘シーンが素敵!】
予告編ではヘッド造形がタイプCのように整っているのが気になったんだけど、本編では全く気にならず、とにかくウルトラマンのビジュアルがキレイで見惚れてしまった。CGのアクションも迫力満点で、とにかくずーっと観続けていたい。ドラマパートで若干モヤモヤした気持ちも、ウルトラマンの美麗なビジュアルが帳消しにしてくれた感じ。
ちなみに、一番最初に地上に降り立った際は全身が銀色で、顔も少し歪んだ感じだったんだけど、これはタイプAのマスクを意識したんだろうか?
神永新二と融合したことで全身が赤ラインになり、顔つきも変わったってこと?さすがにパンフレットにもそのあたりの記述は無かったが気になるところ。

 

【斎藤工の外星人しぐさは素晴らしい!】
実は斎藤工が出演する映画もドラマも殆ど観たことがなく(唯一『シン・ゴジラ』のみ)、どんな演技をされる俳優さんなのか全然知らなかったが、かなりの本数の映画やドラマに起用されているので間違いなく力量を持った俳優さんだとは思っていたが、本作の神永新二=ウルトラマン役はすごく良かった。
人類ではあるが中身は外星人。内面は外星人だが見た目は人間という奇妙な役を見事に演じられていた。ミステリアスなキャラクターだけど人間味も感じさせるという絶妙な演技。彼がウルトラマン役で良かった。

 

【山本耕史はそもそも外星人なのでは?】
山本耕史が演じる外星人メフィラスの人間体がいかにも胡散臭い星人っぽくて、実はドラマ『きのう何食べた?』の小日向大策も外星人なんじゃね?と思ってしまうほど、いい味を出していた。
地球での策略が失敗してウルトラマンとタイマン張ることになったが、ゾーフィが地球に現れた途端、光の国を相手にしたくないため、ウルトラマンとの戦いをさっさと中断して「じゃ、これで失礼するよ」とトンズラする調子のよさも、山本耕史が演じればこそ。いいキャスティングだったなぁ。

 

 

『シン・ゴジラ』のように、超有名な元ネタはあるけど独立した作品として楽しめる作品かというと必ずしもそうではなく、一見さんお断りの要素は多々ある。さらにエピソードを詰め込み過ぎてまとまりのない作品になっていたと個人的には思ったが、それでも製作陣の思い入れの強い大作で、そんじょそこらの作品とは比べられないほどクオリティの高い作品であることは間違いない。心に残る作品だった。
・・しょうがないから少しだけ過去作なんかの復習をして、改めて劇場に観に行きたいな、と思っている。

 

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