okurejeの日記

フィギュアや映画や本などについて、ゆるく書かせていただきます。

吉川晃司 LIVE 2022-2023 “OVER THE 9” at 日本武道館

 

最近、宮城谷昌光先生の歴史小説をkindl合本版で読み直している。

 

宮城谷作品の魅力は、中国の春秋戦国時代という、資料も資料自体の信ぴょう性も乏しい古代の物語を活き活きと描きながら、決して史実から外れない冷静で誠実なストーリーテリングにある。
例えば織田信長や豊臣秀吉など中世の人物は、史書だけでなく本人の手紙なども残っているので、どんな人物だったか内面を想像しやすいが、中国戦国時代の孟嘗君や楽毅、さらに時代を下って周の太公望呂尚などは、古代人が残した史書から事績を辿ることしかできず、どんな人物でどんな性格だったかなんて、残された資料からわかるはずもない。
それでも宮城谷作品では、様々な資料からその人物、その時代の事実を抽出し、不明点があったらさらに他の資料もあたって、事実に矛盾が生じないような推察を交えながら、「きっとこの人物はこういう人であったろう」と読者に確信を与えるような緻密な物語が、シンプルかつ豊富な語彙で紡がれる。

 

なお一昨年、やっと宮城谷版『三国志』(全12巻)を読了できた。
通常の三国志は、後漢の第11代桓帝あたりから物語が始まるが、なんと宮城谷版では第4代和帝から始まるので、1巻では三国志でお馴染みのキャラクターは全く登場しない。せいぜい曹操の祖父である曹騰の少年時代がちょこっと出るくらいなので、相当に腹を括らないと読めない。実は文庫本が出たタイミングで1巻は購入したのだが、登場人物を漏らさず記憶しながら読もうと、かなり気合を入れ過ぎたため、すぐに挫折してしまった・・

woman.nikkei.com

しかし宮城谷版三国志は、やはり過去に読んだどの三国志よりも名作だった。
とうぜん『三国志演義』ではなく、陳寿『三国志』、二十四史の史書などをベースに書かれているので史実から逸れず、それでも多数の登場人物の色彩が鮮やかに描かれている。
まさに、三国志小説の決定版と言えるだろう。
なお本書を読んだら、コミックである『蒼天航路』が、意外と史実通りの物語だったんだな、と気づかされた。

ebook.shinchosha.co.jp

とにかく宮城谷昌光先生の歴史小説は、とっつきにくい春秋戦国時代の物語が多いのだが、読みだしたら全く退屈しない。そして人生訓に満ちているので、非常に勉強にもなる。
・・・そんな、日本国の至宝のような宮城谷昌光先生だが、その宮城谷先生の仕事部屋に伺って、なんと執筆の席に唯一座ったことがあるという人物が、我らが吉川晃司アニキということになる。

books.bunshun.jp

 

 

そんな「宮城谷昌光の執筆の卓に座った唯一の人物」である吉川晃司の今回の日本武道館のライブも、迫力ある舞台だった。声もちゃんと出ていたし、シンバルキックは何回も行うし。

 

 

 

吉川晃司 ・・ スゴイ男だ!

 

 

 

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