世の中から蛇蝎のごとく嫌われている転売屋(転売ヤー)が、次々と謎の襲撃者に襲われる。
「オメーらみたいな人の褌で相撲を取るようなクズ野郎なんて、ろくな目に合わないんだザマーミロ!」と、善良な消費者が快哉を叫ぶ映画なのかと思ったが・・・
そこは黒沢清監督。
そんな単純なストーリーではなかった。
・・というか、そもそも転売ヤーを主人公に据える時点で普通の映画ではないが、物語中盤までは、割とフツーなストーリー展開だった。
菅田将暉が演じる吉井は、町工場で働きながら、副業の転売業で大きな稼ぎを得ていた。
町工場の上司(荒川良々)から昇進話を持ち掛けられるが、それを機に町工場を辞めて転売屋に専念することを決意し、関東近郊の一軒家を借りて恋人と暮らすことにする。
一見、順風満帆に見えた吉井の生活だったが、阿漕な買い取りをされた中小業者や、偽物商品をつかまされた消費者などから恨みを買われたせいか、謎の嫌がらせを受けて徐々に生活が脅かされていく・・
それにしても菅田クン、全く上手。
黒沢清監督独特の、どういうキャラクターなのか最後まで全く掴めない、わけのわからない役柄を、当たり前のように演じているので、観ていて安心感しかない。
あ、『地獄の警備員』の富士丸こと、松重豊が謎の組織?の伝達役で出演していた。
また、黒沢清監督『Chime』で主役を演じた吉岡睦雄が、相変わらずいい演技をしていた!
社会問題化している転売屋の実態を描く社会派作品かと思わせて、最終的には、往年の『蛇の道』や『蜘蛛の瞳』と同じ「不条理バイオレンス」映画。
柴咲コウ主演のリメイク版『蛇の道』では、思ったほど乗れなかったんだけど、本作はワケわからない感じがいい感じに黒沢清監督作品らしくて、良かった!
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