okurejeの日記

フィギュアや映画や本などについて、ゆるく書かせていただきます。

『アトミック・ブロンド』 感想

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遅ればせながら『アトミック・ブロンド』を観てきた。

ベルリンの壁崩壊時の東ドイツが舞台で、シャーリーズ・セロンはMI6の凄腕諜報員。
各国の諜報員が入り乱れているのでストーリーがわかりづらく、中盤まではちょっと退屈だったり。観終わってからネットで調べてなんとなく理解できたが、しかしそれほど深い話でもなく、むしろ突っ込みどころの多い脚本ではある。
今どきの映画らしく、80年代のヒット曲を大音量で流し、映像はスタイリッシュだが、ありがち感もある演出。ネーナの「ロックバルーンは99」(すげぇ邦題)とか懐かしい。

そしてオープニング曲は大好きな映画、ナスターシャ・キンスキーの『キャットピープル』のテーマ曲。なんでキャットピープル?って気もするが、なんとなく今回の荒ぶるヒロインのイメージを表しているよう。なお出演者にデヴィッド・ボウイをオファーしたそうだが、断られたみたい。

 

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…など、そんなことはどうでもよくて、本作の見所は一つ。シャーリーズ・セロンのもの凄い殺陣!これ一択!

シャーリーズ・セロンも長身で鍛えているから強そうなんだけど、それでもデカい白人男性で、しかもプロの暗殺者が相手では筋力ではどうしても劣ってしまう。実際に相手が巨体だと、急所じゃない場所を小口径の銃で撃ったり小さなナイフなどで突いても致命傷にならないので戦闘力を削ぐのは難しいし、劇中では相手が屈強過ぎて結局勝てずに逃げ出すシーンなどもあって、格闘映画としてはリアルで良かった。

しかし、そんなプロの大男相手にもひるまず、金的や向う脛などの急所を躊躇なく攻撃し、手近な道具(フライパンとか)でがん殴り、打撃なども同じ部位にガンガン繰り出し、そして自分も屈強な相手にガンガン殴られ、それでも食らいついての近接格闘術。
見事な体術で投げ飛ばしてボロボロになりながらも最後には倒すという、ハァハァ。。
もう思わず笑ってしまうくらい見事なアクションだった。かなりのトレーニングを積んだに違いない。
中盤以降のアクションは、トニー・ジャー『トム・ヤム・クン!』の伝説の長回し格闘シーンを彷彿とさせられた。

 

『キングスマン』では最凶の義足で、文字通り相手を真っ二つに切断するという凄まじいまでの女殺し屋・ガゼルを演じたソフィア・ブテラ嬢だが、本作では肉食のシャーリーズ・セロン姐さんにガブっと食われるだけの小娘という扱いで、これはもうしょうがないだろう。

 


映画「アトミック・ブロンド」日本版予告

 

とにかくシャーリーズ・セロンには、「姐さん、お疲れ様でした!」というほかない作品。

 

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『ブレードランナー2049』 感想

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全世界(の40過ぎたオッサン)待望の、35年ぶりのブレードランナー続編。
行ってきました。観てきました。

※ネタバレしてますのでご注意。

 

舞台は前作から30年後。
タイレル社は倒産し、レプリカント製造の技術は大企業「ウォレス社」が引継ぎ、新型レプリカントを生産し発展するが、事業拡大のため、さらなる生産性向上のためにレプリカントに生殖機能を持たせる技術を密かに研究していた。

LAPD(ロサンゼルス警察)に所属する最新型レプリカントのブレードランナー「K」は、ある農場で旧型レプリカントを解任(始末=殺す)した際に、妊娠した形跡がある女性レプリカントの遺骨を発見する。レプリカントが妊娠したという衝撃の事実を世間に知られたくないLAPDは、Kに事実の隠蔽と、もし生まれていた場合、そのレプリカントの子供も解任することを命令する。

一方、研究用にレプリカントの子供を入手したいウォレス社も、密かに父親であると思われるデッカードと子供を探し始める。

 

まず本作で良かったのは、ブレードランナーがちゃんと強いこと。
冒頭シーン、Kは素手で旧型のレプリカントを追い詰め、レプリカントかどうか確認しようとするが、最初はボコボコにやられる。しかし、身体能力、戦闘力とも旧型を凌駕する彼は難なく反撃し、苦も無く解任を完了する。これがデッカードだったら秒殺だ。
ブレードランナーたるもの、やはりこれくらい強くないと。

なおハリソン・フォードだが、『スターウォーズ/フォースの覚醒』みたいに変に若作りをせず、割とじいさんのまま登場したのも良かったが、そのハリソン・フォード=デッカードは、不意打ちでKを銃撃する。しかし苦も無くKにブラスターを取り上げられてしまう。その後のデッカードとKの会話シーン。

 

デッカード:「俺も昔は凄腕のブレードランナーと言わ・・・」
K:「時代が違う!」
とピシャリと言われてたのには笑ってしまった。

そんな役立たずのデッカードだが唯一グッジョブだったのは、レプリカントであるレイチェルを孕ませて子供を産ませるという、本作の重要なテーマのひとつである「人造人間の出産」というプロットに貢献したことくらいだろうか。

 

ラスト、LAPDを追われ、もしかして自分はデッカードとレイチェルの子供なのではないかと思い始めていたKだが、助けてくれたレプリカント解放運動の指導者フレイサから、実は彼らの子供ではなく、彼らの子供の記憶を移植されただけの、やはりただのレプリカントだったと知らされる。

芽生えてきたアイデンティティーが脆くも崩壊し、深い絶望感に苛まれるKだが、レプリカントの子供の秘密がウォレス社に洩らされないよう、口封じにデッカードを殺害するようフレイサに指示されながらも、結局はデッカードを助け娘に引き合わせて、自分は敵レプリカントとの死闘で致命傷を負い、静かに息を引き取っていく。

話題作『ラ・ラ・ランド』すら観ておらず、ライアン・ゴズリングの作品は初めて観たが、彼の切ない演技には泣けてしまった。彼こそが本当のブレードランナーだ。

 

本作を一言で表すとしたら「役立たずなデッカードをまたもレプリカントが助けてあげちゃう」物語。

 

なおヴァンゲリスのように後の世にも印象に残るキャッチャーなスコアがなかったのはちょっと寂しかったが、『メッセージ』のドゥニ・ヴィルヌーヴ監督作でお馴染みの「ブぉオ~~~ん」という独特の低音サウンドが腹に響いて心地よかった。

新型のポリススピナーも、渋くて超カッコよかったし。

あと、確かに尺が長すぎて、正直途中で少しだけ眠くなってしまった。

またまた上映開始からしばらくして誰かの寝息が聞こえてきて、おいおい、どこのバカだ?と思っていたら、どうもやっぱり、うちの奥さんだった。。

ただ、必要以上にテンポよくスピーディーに進められても、この作品の味わいが薄くなってしまう気がする。なので総じて、自分としては良作に感じたし、なんなら旧作より面白かったくらいだ。

 

マイケル・ベイの『トランスフォーマー』とかが好きな多くのアホなアメリカ人に本作が受けなかったのはまぁ当たり前だろう。

 

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