『メン・イン・ブラック』が名作だったにも関わらず、やはり「続編は1作目を超えられない」のジンクス通り、2作目、3作目はイマイチな作品だった。
しかし本作はスピンオフの位置付けでキャストも一新、しかもリブート版『ゴーストバスターズ』という名作でも好演したクリス・ヘムズワースが主演となれば、「今回こそは、もしや面白いのでは?」との淡い期待を持ってしまったが、やっぱり期待外れで終わってしまった。
・・・もしかして『メン・イン・ブラック』って、1作目より面白い作品を作ってはいけないって裏ルールでもあるの?
まず今回の主人公、クリス・ヘムズワース演ずるエージェントHと、テッサ・トンプソン演じる女性エージェントMのキャラクター設定があやふやなので、彼らの行動目的がイマイチ把握できないまま物語が終わってしまった。またリーアム・ニーソン演ずるエージェント ハイT(「ハイ」って何?)だが、顔つきから怪しくて、どう見ても組織内の裏切り者にしか思えないのに、本当に裏切り者だったというズッコケ脚本!(ゴメン!ネタバレ ・・・まぁエエか。大した作品じゃないから・・)
いやまったく、豪華キャストとバジェットの無駄遣い作品だったんだけど、こうなると、改めて1作目の出来の良さを思わずにはいられない。
テンポの良いストーリー展開、スタイリッシュな演出、ウィル・スミスとトミー・リー・ジョーンズの掛け合いの小気味よさ、アメリカの不法移民問題とエイリアンの地球侵入をダブらせる意外と社会性のあるテーマ、そして、リック・ベイカーの後年の代表作ともいえる特殊メイクの素晴らしさ。
特に印象的だったのは、ウィル・スミスこと「J」が、MIBのエージェントとなる決心をするまでのシーン。
MIB捜査官になったら、自身の全ての戸籍情報はおろか、指紋まで消去され、過去の自分とは全く別人として生きなければいけない。今までの日常生活を全て失う決断に悩むのは当然で、公園のベンチに一人座って一晩中、まんじりともせずに考え込む。しかし明け方になって、自身の正義感に従い人知れず地球を守る決心をして、晴れがましい顔でMIBの門を叩くという、短いながらも感動的なシーンだった。
基本はコメディ作品でありながら、かなりブラックなジョーク表現と、たまにシリアスで感動的なシーンも交えるので、作品にメリハリが効いて最後まで飽きさせない。
だいたい、1作目でエージェントKとJの物語はハッピーエンドで完結しているので、無理やり続編を製作するのには相当ハードルが高いはずなのだ。
・・ということで本作『メン・イン・ブラック:インターナショナル』は、ニューラライザーを使用するまでもなく、すぐに自分の記憶から消去されることだろう。
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