okurejeの日記

フィギュアや映画や本などについて、ゆるく書かせていただきます。

『エディントンへようこそ』 感想

 

『ミッドサマー』のアリ・アスター監督による、コロナ禍のとある町での対立を描いた作品、というテーマが面白そうだったので観に行くことに。

面白かったんだけど、登場人物が多く、ぶち込まれた要素も多すぎて理解に苦しんだので、少し整理してみると・・

まず主人公はホアキン・フェニックス演じる保安官ジョー。
時代は2020年、コロナ禍で世界中が異常状態にあったなか、当時、半強制的だったマスク着用に反対している。ジョーの妻で、エマ・ストーン演じるルイーズは引きこもりがちで、精神が不安定。こういうややこしい役柄をやらせたらエマ・ストーンはピカ一。
ルイーズの母で、ジョーにとっては義母となるドーンは陰謀論者で、常にネットで仕入れた怪しげな陰謀論を娘夫婦に聞かせている。
この3人が暮らしているのが、ニューメキシコ州のエディントンという架空の市。
一方、ロックダウンを実施し、マスク着用義務を施行した、ペドロ・パスカル演じるラテン系の市長テッドは、かつてジョーの妻ルイーズを振ったという過去もあるせいか、ジョーとは何かと対立している。
テッドの息子エリックの友人、サラはいわゆるソーシャル・ジャスティス・ウォリアー、社会正義派の過激な活動家で、ジョージ・フロイド事件によりBLM(ブラック・ライヴズ・マター)が再熱する中、ますます活動を活発化させる。エリックのもう一人の友人ブライアンは、サラに好意を抱くなかで、自身も活動に参加していく。
そんなある日、ジョーとテッドはマスクを着けろ!着けない!の小競り合いを行う中、激高したジョーは自身も市長選に立候補することを決意、2名の部下を選挙スタッフに引き込んで選挙活動を始める。
その頃、ジョーの妻ルイーズと義母のドーンは、怪しげなカルト教の教祖で、いま乗りに乗っているオースティン・バトラー演ずるヴァーノンの影響を受け始める・・

ここまでが物語の中盤、怪しげな人物が怪しげな行動をとりだしバタバタしながらも、ストーリー進行のテンポが今一つゆっくりで退屈してくるが・・

選挙活動中にジョーとテッドの対立が激化して、さらに妻と義母もカルト教教祖の元に去ってしまったことでプツンと切れたジョーが、まずは町の嫌われ者の浮浪者を射殺し、ついにはトッドと息子のエリックをスナイパーライフルで殺害してから、物語は一気にヴァイオレンス・モードに突入、アリ・アスター監督が撮りたかった過激な西部劇になっていく。

ブチ切れて市長親子を殺害したジョーだが、しかし証拠を極力残さないよう、犯行は非常に冷静に行い、犯人をANTIFA(アンティファ、反ファシスト)の仕業に見せかけよと工作するが、なぜかジョー自身が謎のテロリスト(アンティファ?)に銃撃され、命は助かるも脳に損傷を受け、市長にはなったが、重度の障碍者となってしまう。
ラスト、介護人から頭をはたかれる全裸のホアキン・フェニックスがいじらしい・・

・・ということで、パンデミック、陰謀論、カルト教、ブラック・ライヴズ・マター、アンティファ、果ては介護問題まで、様々な社会問題をぶち込んだ、まさにごった煮のアリ・アスター作品、見応えのある作品だった。

なお『ミッドサマー ディレクターズカット版』と同様、ラストにチンコ露出というこだわりもアリ・アスターらしく好感!

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