okurejeの日記

フィギュアや映画や本などについて、ゆるく書かせていただきます。

アーヴィン・カーシュナー感あり! 『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』 感想

f:id:okureje:20171224103203j:plain

 

※ちょいネタバレってます。

 

アーヴィン・カーシュナー監督をご存じだろうか。

彼は、偉大な映画作品の2作目を、決して傑作ではないが、手堅くクオリティの高い続編に仕上げる職人肌の監督で、過去には『スター・ウォーズ/帝国の逆襲』、『ロボコップ2 』、『ネバーセイ・ネバーアゲイン 』などを手掛けた。

 

昔。1作目のスターウォーズの続編が製作されるというニュースに心を躍らせたが、監督がジョージ・ルーカスではないと聞いた時のガッカリ感。
はぁ?アーヴィン・カーシュナー?誰ですか、それ?ハァ?・・・となったが、いざ帝国の逆襲を目の当りにしたら、その完成度の高さに当時のスター・ウォーズ・ファンは「ヒャッホー!これぞスター・ウォーズ!ジョージ・ルーカスが撮るよりよかったのでは?」と小躍りしたものだ。

 

今回の『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』、まさにアーヴィン・カーシュナー監督がメガホンを取ったかのような、作品としてはすごく傑作とは言えないまでも、とても手堅い作品だと感じた。

前作『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』で、J・J・バカ・エイブラムス監督がやらかした様々な悪手を、本作の監督、ライアン・ジョンソンは、オールド・ファンや映画ファンにも納得できるような形にまとめ上げた作品と認識した。

 

前作の個人的感想は、まぁ酷い作品で、無駄に旧作キャストの老醜を晒し、ほぼ説得力のない新キャラクターを登場させ、しかもストーリーは過去作の単なるダイジェスト&リブート作品。中途半端で華のないダース・ベイダーもどきの悪役を登場させ、なんとまたまたダース・シディアスそっくりの黒幕が出てきて、挙句の果てにまたまたデス・スターを攻撃してチャンチャン!ときた。

 

しかし今作『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』で一番感動したのは、前作では単なる爺さん婆さんにしか映らなかったキャリー・フィッシャーとマーク・ハミルの素晴らしい演技だった。

レイア・オーガナ姫が年月を重ねて老年の将軍になったとしたら、こんな頼もしくて魅力的な指揮官になるだろうな、と思わせる流石の演技巧者。優れたスクリプト・ドクターとして有名だったそうだが、本作でもキャリー・フィッシャーのその手腕が脚本をさらにブラッシュアップしたに違いない。

そしてラスト、「待たせたな!」みたいな感じでやっと戦場に現れた(実はその場にはいなかったが)ルーク・スカイウォーカーが、最高の対決シーンを終えて散っていくクライマックス。スター・ウォーズのまさに「ニューホープ」が、次世代のニューホープに見事なバトンを渡して新作に花を飾った。
R2-D2が昔のレイア姫のホログラフィックを映したシーンでは、思わず涙を流してしまった。

 

f:id:okureje:20171224103200j:plain

 

最初の三部作以降、ハリソン・フォードと違って作品的にはあまり恵まれなかったマーク・ハミルとキャリー・フィッシャーだが、今までのキャリアを見事に昇華し、有終の美を飾れたように思われた。本当に良かった!

 

あとは、アダム・ドライバーを初めて知ったのが悪いことに『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』だったので、彼に対してのファースト・インプレッションは最悪だったのだが、その後に観た彼の出演作『沈黙 -サイレンス-』と『パターソン』で、すっかりアダム・ドライバーのファンになってしまった。
そんな彼が演じるカイロ・レンも、今作では見事な演技で新たな若い悪役の誕生を演じきった。アダム・ドライバーびいきなオレだが、そんな贔屓を抜きにしても、今回のカイロ・レンは凄みがあった。

 

ただ残念だったことも少し。

 

今回もキャプテン・ファズマの活躍が少なかったこと。フィンとの対決シーンはかっこよかったが、後はこれといった見せ場もないまま火炎に落ちていった。もしかしたら今回が最後?今作では中の人のグェンドリン・クリスティーが顔見せするかもって噂もあったが、結局は片目だけちょこっと見せただけだった。
もし叶えば、次作の『エピソード9』にも復活してもらって、今度こそ重要な役どころで活躍して欲しいものだ。

 

  

そしてやっぱり納得いかないのが、今回の新シリーズの主人公レイだが、たいした剣術の訓練もしていないのにライトセーバでそれなりの殺陣ができてしまっているのは、どう考えてもおかしいだろう。
今作では、かつてのヤング・スカイウォーカーが惑星ダゴバで老ヨーダ師から訓練を受けるシーンと同じく、レイが老ルーク・スカイウォーカーに教えを乞うシーンがあるが、そこでもちゃんと剣術の訓練を受けるシーンはなかった。

妻は、いまさら訓練シーンなんていらない(過去の映画で見飽きた)、むしろ今回は訓練シーンがなくて良かったなんて言っているが、いやそれは間違っている。
やっぱり、主人公が蘇化子から厳しい訓練を受けるシーンがないと納得できないんだよ!

 

f:id:okureje:20171224103155j:plain

 

まぁしかし、今回の『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』。
まったく期待していなかったが、ライアン・ジョンソン監督のおかげで、思ったよりも凄みのある良作に仕上がっており、スクリーンに釘付けになったしまった。

 

・・・しかし、次作『エピソード9』のメガホンを取るのは、またも「J・J」らしい。
キャリー・フィッシャーも失ってしまった今、ものすごく期待できない状況ではないだろうか。

 


「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」本予告

 

 

 

はあちゅうの童貞いじりを叩いてる場合じゃない! #MeToo #はあちゅう

f:id:okureje:20171222155820j:plain

 

「なんでこんなに文明は発達しているのに人間はいまだに働かないといけないんだろう。」
phaさんの著書『ニートの歩き方』より。

 

まったくその通りなんだけど、今の世の中では殆どの人が疑問に思わない真理ではある。

なので日本では、今日も朝からスシ詰め状態の満員電車に揺られてストレスを溜め、行きたくもない会社で取り立てて好きでもない仕事を遅くまでやってストレスを溜め、さらにエラそーな上司やクライアントからセクハラやパワハラを受けてストレスはMAX状態。

 

満員電車に乗るのも会社で働くことも、まだまだ今の世の中では回避するのは難しいが、DQNな上司やクライアントのセクハラ・パワハラ行為については、これからは抑止できるかもしれない。
サラリーマンのストレス要因、全部いっぺんには改善できないが、ひとつひとつでも潰して行こうよ。
その有効手段の一つが、今回のはあちゅう(伊藤春香)氏による実名での告白手段だ。

 

彼女の告白内容が真実だとすれば、夜中に突然呼び出して女性を自宅に引き入れ、恫喝するやら体の関係を迫るやら、もはや犯罪と呼んでいいほどの暴虐ぶり。
はあちゅう氏も証拠もないのにこんな手段には出ないだろうし、元「刻キタル」代表取締役である岸勇希氏も一部の事実を認めて謝罪しているので、まず真実に近いのだろう。

今回の件で岸勇希氏は大きな社会的制裁を受けたし、さらには、あの電通が、まさかの広告会社が自身の公式ツイッターアカウントに鍵をかけるという非常手段をとるなど、世間の反パワハラ・セクハラ熱が高まる大きなきっかけとなった。

 

自分自身のことで恐縮だが、自分も過去、関連会社の強面で強引な上司に夜中、顧客向けの謝罪文書の内容を何度も書き直しさせられ、何回も徹夜させられて、あげく鼻先まで顔面を寄せて「お前はバカか!死ね!死ね!」と怒鳴られたことがある。
あまりに絵にかいたような切れっぷりに、思わず冷静になって心の中で「お前はフルメタル・ジャケットのハートマン軍曹かよ」と突っ込んだくらいだ。
他にも、自社の高圧的な関西人の営業に、ヤクザまがいな理不尽さで怒鳴られたこともあった。
当時は若かったので委縮してしまったが、今となっては、何でテメーらにそこまで罵倒される必要があるんだ!と、腹立たしい思いしかない。

 

自身の立場を利用して部下や下請けなどに高圧的な態度で威圧し、相手の人間としての尊厳を脅かすような行為は、昭和じゃあるまいし、今では絶対に許されない。

 

え?どう考えてもヤラかしてるだろ!としか思えない元TBS記者のレイプ疑惑のように、権力が絡むと実名でもなかなか相手が観念しないケースもあるが、#MeToo 運動がますます盛り上がれば、こんな強固な牙城もいつか崩れるかもしれないし、今回の騒動は、くだらない相撲問題なんかどうでもいいから、もっとメディアも大々的に報道すべきなのだ。

 

ところがここに来て、なぜかはあちゅう氏へのカウンターとして、彼女が過去に行った「童貞いじり」問題のほうが盛り上がりを見せている。
今回の告発で、今まで何の気になしにパワハラを行っていたヤツが一人でも「あ、コレってヤバいことなんだ・・」と、今更ながらに気づかせるキッカケになるかもしれないし、今は彼女を応援こそすれ、別の問題でヤリ玉に上げようとする風潮が不思議というか、腑に落ちない。

 

ネット上では相当なインフルエンサーである、めいろま氏と渡辺由佳里さんも、「童貞いじり」に警告を発している。

 

欧米では未だにマッチョイムズがはびこっており、弱者とみなされる「童貞いじり」はジョック(Jock)やクイーン・ビー(Queen Bee)のようなスクールカーストの強者が弱い者いじめをするのと同義であり、かつ童貞であることを自虐することも、こうしたマッチョイムズを助長させる原因となっているため、軽い気持ちとは言え容認できない、との趣旨だ。確かに一理あると思う。

ただ自分としては申し訳ないが、正直、はあちゅう氏の「童貞いじり」については、それほど悪質な言動とは思えなかったし(cakesの記事「なぜ「童貞」を笑いのネタにしてはいけないのか?」も4回くらい拝読した)、むしろ、両氏の発言に乗っかって、電通の手先みたいな「アンチはあちゅう」連中が #meetoo 運動をうやむやにしないかを危惧している。

 

両氏とも、「童貞いじり」問題と今回の告発とは別物として扱いたい、とは仰っているが、あきらかに、はあちゅう憎しのバカが「童貞いじり」発言だけをことさらあげつらっているような状況に見える。

 

そもそも、アメリカ人だろうが日本人だろうが、みんなイジメはいけないことはわかっている。
『悪魔の毒々モンスター』『スパイダーマン』『キャリー』などハリウッド映画(一部トロマ映画)の多くは、製作者に元ナード階層が多いせいか、ギークが主人公となって、弱いものいじめをするジョックスをやっつけるストーリーが多いし、そんな作品が長く支持を受けていることからも、みんなが弱いものイジメをいかに憎んでいるかが伺えるだろう。

 

ではなぜ、アメリカでも日本でも、未だに学校内のイジメが無くならないのか?

 

それは、イジメを行った子供に、これといった致命的な罰則が少ないからだと思う。

最近ではアメリカのある地方で、「子供がイジメを行ったら親が罰を受ける」といった
新しい法律を施行したところもあり、今後も増えていくと思われるが、まだまだイジメをするバカは放置状態である。

しかし、そんなバカが社会人になって、学生時代のノリで会社でセクハラ・パワハラを行ったら、今度は実名で告発されて、職を失い、ヘタしたらお縄になる可能性だってあるのだ。

 

確かに電車内痴漢の冤罪事件のように、一方的な告発は冤罪を誘発しかねないので実行する場合は十分な準備と注意と、そして覚悟が必要だろうが、こんな有効な手段を、はあちゅう憎しだけで盛り上がっている「童貞いじり」問題で埋もれさせたくない。

 

最後、めいろま氏と渡辺由佳里さんに、オレが大好きな映画『キック・アス』の以下のセリフを捧げたい。

 

ヒーローに憧れる非モテで童貞の主人公が成長して、真のヒーローになる痛快アクション映画『キック・アス』。
主役のデイヴの友達であるトッドとマーティが、キュートなヒロインのヒット・ガールの戦いを映像で見たときの、日本語訳での掛け合いの名セリフだ。

 

トッド  「この子が大きくなるまで俺は童貞を守る!」
マーティ 「何から守るんだよ」

 

f:id:okureje:20171222155838j:plain

 

ゲスアワー(完全版)

ゲスアワー(完全版)

 
半径5メートルの野望 完全版 (講談社文庫)

半径5メートルの野望 完全版 (講談社文庫)

 

  

トランプがはじめた21世紀の南北戦争: アメリカ大統領選2016

トランプがはじめた21世紀の南北戦争: アメリカ大統領選2016

 
どうせなら、楽しく生きよう

どうせなら、楽しく生きよう

 

 

不寛容社会 (ワニブックスPLUS新書)

不寛容社会 (ワニブックスPLUS新書)

 
バカ格差 (ワニブックスPLUS新書)

バカ格差 (ワニブックスPLUS新書)

 
日本が世界一「貧しい」国である件について

日本が世界一「貧しい」国である件について

 
ノマドと社畜 ?ポスト3.11の働き方を真剣に考える

ノマドと社畜 ?ポスト3.11の働き方を真剣に考える

 

  

キック・アス 期間限定プライス版 Blu-ray

キック・アス 期間限定プライス版 Blu-ray

 
キック・アス (ShoPro Books)

キック・アス (ShoPro Books)

  • 作者: マーク・ミラー,ジョン・ロミータJr.,光岡三ツ子
  • 出版社/メーカー: 小学館集英社プロダクション
  • 発売日: 2010/11/19
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
  • 購入: 75人 クリック: 1,535回
  • この商品を含むブログ (86件) を見る
 

 

 

【スポンサーリンク】