そもそも恋愛マンガに興味はないのだが、たまたまkindle期間限定無料で1巻のさわりを読んで、即座にハマってしまった。
17歳の女子高校生と45歳バツイチの冴えないおじさんとの淡い恋を描いた物語。
ありきたりな設定のようで、実はこれほどの歳の差間での純愛ストーリーは珍しいかもしれないが、なにより惹かれたのは、眉月じゅん先生の異常なほど爽やかな作画。
スレンダーでクールながら純粋なヒロイン「橘あきら」のビジュアルが、「爽やか」っていうのはこういうことを言うんだな、くらい爽やかなデザイン。
無口で無表情だが、頑固で純粋なヒロインの性格がストレートで伝わる、素晴らしいキャラデザ。
なので、実写映画化の報を聞いて、小松奈菜ちゃんが橘あきら役と聞いたときは、即座に「イメージが違う!・・・これは観ない」と思った。
近藤正己が大泉洋なのはなるほど、って感じだったが、というか、大泉洋に演じられないキャラクターってあるの?くらい芸達者な人なので違和感は無かったんだけど、小松奈菜のビジュアルはどうしたって小悪魔系。
ジョジョの山岸由花子なら大賛成だが、橘あきらはさすがに無理やりな気がした。
しかし昨日、永井聡監督の実写版を鑑賞したら、まさに、スクリーンに橘あきらがいた。
実写版『アイ アム ア ヒーロー』を鑑賞した際は、大泉洋の演技で「あ・・・鈴木英雄がそこにいる。。」と思ったものだが、本作では小松奈菜ちゃんがやってくれた。
どうしても体育会系なイメージがないんだけど、劇中では見事に短距離走者だったし。
さすが、様々な映画に引っ張りダコな理由がわかる。スキルのある女優。
だが本作は、ビジュアルの再現だけではなく、コミックの実写映画化作品としても見事に原作を再現していた。
ただ我々原作ファンからすると、単にキャラクターやストーリーの再現度が高いだけでは満足できない。(まさに「じゃあ観るな!」or「お前が撮ってみろ!」って言われて当然なワガママぶりなんだけど・・)
例えば三池崇史監督の『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』。
小松奈菜ちゃんはじめ、演者による各キャラクターの再現度はかなり高く、演技力も文句なし。
かつストーリーもほぼ原作通りなので、再現度という点でいえば高クオリティ。
でも一つの映画作品としては、今ひとつ物足りないのだ。
やはり、早撮りはいいんだけど、原作へのこだわりや思い入れが作品から感じることが少ない監督。(何度も書くけど、『殺し屋1』だけは別格。あれは傑作)
永井聡監督については全く存じ上げなかったけど、『恋は雨上がりのように』というコミック作品への強い思い入れが感じられたのと、そして単純にコミックを映像化しただけでなく、実写映画という別ジャンルの『恋は雨上がりのように』を製作された、と思った。
なので、もう購入するのをやめた映画パンフレットを、禁を破って久しぶりに購入してしまったよ。
この作品のスタッフ、キャストのコメントをじっくり読みたかったから。
劇中、橘あきらを暖かい目で見守りながら、自分自身の生き方や夢を見つめ直す近藤正己 = 大泉洋の演技を観ていたら、継続的に涙が流れてしばらく止まらなかった。
なお最終的には、あきらの恋心を受け入れたい気持ちを抑えて、あえて、会わない決断をする近藤。
ここまでは原作と同様だったけど、映画版では微かに、今後も2人が繋がっていくかもしれない未来を暗示して終わる。
原作の終わり方は、分別ある大人だったら当然な決断だし、一般常識としてそうあるべきラストだったけど、正直、せっかくの2人の関係がこれで終わってしまうのかーってのに、ちょっとだけ物足りなさを感じた。
だから映画版でのこのラスト、何となく蛇足のような気もするが、ちょっとだけ嬉しかったりもする。
そういえばコミック版の最終巻が出たのが、ちょうど世間を騒がせた、元ダシュウ村の山口メンバーの事件と同じ時期だったが、最終巻ラストでの近藤正己のふるまいが、余計に山口メンバーの行為のおぞましさを際立たせた。マンガの架空のキャラクターと比較するのもアレだけど、ホンマに山口メンバーって屑やな・・・人間の屑。
【チラシ付き、映画パンフレット】恋は雨上がりのように 監督 永井聡 キャスト 小松菜奈, 大泉洋, 清野菜名, 磯村勇斗, 葉山奨之, 松本穂香, 山本舞香, 濱田マリ
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