okurejeの日記

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『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』 感想

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クエンティン・タランティーノ監督の4年ぶり第10作目となる新作『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』は、多くの日本人にとってはまさに「細かすぎて伝わらないモノマネ選手権」みたいな印象だったのではないだろうか。

 

シャロン・テート惨殺事件が発生した1969年8月9日から約半年前のロスアンゼルスで物語が始まる。過去にテレビドラマのスターだった俳優のリック・ダルトン(レオナルド・ディカプリオ)と、彼の付き人兼スタント・ダブルであり、友人のクリフ・ブース(ブラッド・ピット)の2人が主人公。
最近ではドラマ出演も悪役ばかりで、俳優として斜陽であることを嘆きナーバスになるリックに対して、クリフは自身もスタントの仕事が殆どなく、日常業務はリックの雑用ばかりだが腐ることもなく、落ち込みがちなリックを励ましながら淡々と日々を過ごしている。
ある日、2人はリックの自宅の駐車場で、最近隣に引っ越してきた新進気鋭の映画監督ロマン・ポランスキーと、妻で女優のシャロン・テートを見かける。
落ち目の自分たちに比べてハリウッドで輝きを増している夫妻は眩しかったが、リックとクリフの状況は大きく好転しないまま、物語は惨劇の夜に向かっていく・・

 

前作の『ヘイトフル・エイト』は日本でのプロモーションは地味だったが、今回は打って変わって大規模なプロモーションが展開されているが、正直、予告を観てもそれほど面白そうな作品には思えなかった。

シャロン・テート惨殺事件はともかく、1960年代のアメリカのエンターテインメント業界の雰囲気を肌で知らない日本人にはちょっと敷居が高い作品だし、また本作はタランティーノ作品としてはヴァイオレンス・シーンが極端に少なく、ドラマとしても盛り上がりの少ないストーリーなので、物足りなさを感じる人もいるかもしれない。
なので日本では苦戦しそうな本作ではあるが、自分としては久しぶりに良きタランティーノ作品を堪能できてしまった。

 

とにかく登場人物のすべてが、いい意味で適当で呑気で(マンソン・ファミリーでさえも)、当時のおおらかなアメリカの雰囲気が、タランティーノの洒脱な脚本と演出のお陰で、当時を知らなくても伝わってきて、最初から最後までニヤニヤが止まらない作品だった。
プロットとしては、『デス・プルーフ in グラインドハウス』風味の『イングロリアス・バスターズ』といったところだろうか。

ちなみに好きなシーンは、テレビドラマの西部劇の撮影での、リックと意識が高い子役トルディ・フレイザー(ジュリア・バターズ)とのやり取りの場面で、こういうどうでもいい味わいあるシーンが多くて、ジワジワくる。

 

なお、娘のシャノン・リーや弟子のダン・イノサントから猛烈抗議があがって物議を醸したブルース・リーのキャラクター設定についてだが、確かに、ブルース・リーのファンにとっては衝撃的かつ、ニヤニヤが止まらない登場シーンだった。なんせ怪鳥音付きだし・・
しかし、演出過剰ではあるんだけど、タランティーノが主張することも、あながち間違っていないと思う。
あまりに神格化され過ぎて古くからのファンも目が曇りがちだが、多少の誇張はあるが、本作のブルース・リーも彼のリアルな一面を描いているんだと思う。
(しかし怪鳥音はやりすぎ・・・)

 

タランティーノ作品としては思った以上に地味な作品で、またハリウッドの大スターであるブラピとディカプリオのダブル主演ということで妙な期待を持って鑑賞したら大きく肩透かしをくらう作品なんだけど、円熟度を増したタランティーノをじっくり味わえる良作だと思います。

 

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ユリイカ 2019年9月号 特集=クエンティン・タランティーノ ―『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』の映画史―

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