こんにちは!
昨日ですが、小栗康平監督作品『FOUJITA』を観てきました。
主演がオダギリジョー、中谷美紀という、いかにもなキャスティング。
そして日本人画家・藤田嗣治の半生を描いた作品ということで、鑑賞前はこんな感じのストーリーを想像してました。
東北のど田舎から花の都パリに降り立った藤田嗣治(牛乳瓶メガネの田舎者イメージ)。「う~ん、さすがパリはすごか都会ですたい!」
そんな藤田だったが、画家として次第に頭角を現し、フランス画壇でも著名な存在に。モンパルナスで酒と薔薇と狂乱の日々を送りながらも、しかし次第にパリの街を覆うナチス・ドイツの影。そしてヨーロッパの戦火を避けるように軍国主義まっただ中の日本に戻ってくるも、軍部から戦争協力を依頼され苦悩する藤田だった・・
※あくまでイメージです。藤田嗣治は東京出身で、しかも下戸だったそう
…という、わかりやすい文芸大作かと思っていたのですが、これが甘かった!
物語は前半の1時間をパリでの、後半1時間は日本での藤田の生活を描くのですが、ストーリー性は殆ど皆無で、それぞれの国での日々の淡々とした生活を絵画のように切り出すのみ。画面も暗く、登場人物も背景の一部として撮影されているせいか引きの絵が多く、それなりに有名な役者も多く出ているのに、殆ど誰だかわかりませんでした。
しかし絵はとても綺麗で、そしてオダギリジョー、中谷美紀とも、佇まい(たたずまい)がすごく良かったです。
・・そうは言っても2時間の上映時間は、まさに「寝堕ち」との戦いになりました。
★★★★★
この作品は、レオナール・フジタと映画芸術について、相当の見識を持っていないとさっぱりワケが分からないという、上級者向けの作品かと思われます。
(決して、ダメな作品というワケではありません。我々夫婦の知識・感性不足のせいで監督の意図が読めなかっただけと認識しています)
なので、素人がスター・ウォーズでも観に行くように、「ちょっと覚醒してきますわー」みたいなノリで行くと、ホント痛い目…というか眠い目に会いますので注意が必要!マジで鑑賞者を選ぶ作品です。
…そして、映画が終わって妻と顔を合わせた途端に、作品の難解さに思わず爆笑してしまいました。なので、あまりに監督の意図がわからなかったので、思わずパンフレットを買ってきたという。
今年最後の劇場での鑑賞作として、ある意味とても貴重な作品でした!
それではー
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