石川県金沢市のご出身だそうで、自分と同郷であるライターの紐野義貴さんのこのツイート。
傑作や! pic.twitter.com/nse95ueRt1
— ひもの(Web編集・イベンター) (@yoshitakahimono) July 7, 2018
ググってみたら面白そうな作品だったので、本日観に行ってきました。
場所は渋谷のシネクイント。
2016年の渋谷パルコ建て替えと共に一時閉館となったが、今月の7月6日に再オープンしたそうだ。
で、オープン記念ということで、ゆったりと作品を鑑賞できる「ペアシート」なるものがしばらくの間、通常料金だという。であれば記念に、ということでペアシートを予約して劇場に着いたら、なんと劇場2階に位置していた。
シートは確かに大きくていいのだが、なにせ2階なのでスクリーンから結構離れている。
これはちょっと失敗だったかな・・・と思ったけど、杞憂。ゆったり作品を堪能することができた。ただ、2階の最前列のペアシートだったんだけど、手前の壁が若干スクリーン下と被ってしまって、背筋を伸ばさないとスクリーン下が見切れてしまうので、座高の低い人は要注意かも。
ということで、本作。
1970年代初頭。
全米女子テニス界でトップ・プレーヤーであるビリー・ジーン・キングは、賞金格差が男子プレーヤーの8分の1程度という女子プレーヤーの地位向上を目指して、男子プレーヤーから離脱して女子プレーヤーだけのテニス協会を発足する。
そんな彼女に、往年の名プレーヤーで御年55歳、ギャンブル中毒者でもあるボビー・リッグスが、自身の話題作りのため、「男女対抗試合」を持ち掛ける。
当初はそんな茶番には見向きもしなかったビリー・ジーンだったが、ライバルのマーガレット・コートがボビーに敗れ去ったことに発奮して、本気でボビーとの男女対抗試合 = “The Battle Of The Sexes”(性別間の戦い)に挑むことになる・・
・・・それにしても、主演二人の役作りの徹底ぶり!まさに70年代のアメリカ人そのもの。
なお左のオッサン(ボビー・リッグス)は、オースティン・パワーズじゃないんやで。
本作は実話の映画化であるが、テニスファンならご存じなんだろうが、一般的な日本人で、ビリー・ジーン・キングが実在の有名テニスプレーヤーであり、彼女がこの「男女対抗試合」で、アメリカの女子テニスプレーヤーはおろか、全米女性の地位向上に大いに貢献したという事実を知っている人は少ないのではないだろうか。
自分も全く知らなかったし、そもそも本作、「コメディドラマ映画」という触れ込みだったので、もう少し軽いノリの作品かと思い込んでいたが、めっちゃガチなスポ根映画で、しかもラストは泣いてまうくらい感動作であるとは思いもよらなかった。
ビリー・ジーンはレズビアンでもあり、LGBTの社会運動家の走りのような存在であるそうだ。なので本作も、全米テニス界の女性の地位向上の立役者であり、かつレズビアンであることも最初から公言するパワー・ウーマンとして描いた映画だと思っていた。
しかし実は、彼女はそもそも既婚者であり、自分が実は同性を愛する者であることを自覚せず、女性の恋人ができても、その事実を公表することはおろか、自分がレズビアンであることを恥じるほど、当時の一般女性と同じ思考だった。
なので最終的に決心したボビー・リッグスとの闘いは、全米女子テニスプレーヤーの地位向上のための闘いであり、未だ女性蔑視な男性社会への反抗でもあり、かつ同性愛者であることが人間として異常でも何でも無いということを自身にも世間にも証明するための闘いでもあった。
なお、本作と似たようなテーマながら、荒ぶるヒロインの荒んだストーリーが凄まじかった『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダ』。本作とは真逆のような作品であり、主演女優のマーゴット・ロビーの名演が光っていたが、やはり本作のエマ・ストーンの役作りのほうが若干、勝っていたような気がする。
それにしても本作、もっと大規模なプロモーションを展開して多くの劇場で公開されて然るべき名作だと思う。テーマも深いし。
紐野義貴さんのツイートを見なかったら、うっかりスルーしてしまうとこだったよ。危ない危ない・・
エマ・ストーン主演!映画『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』予告編
つーことで本作、まさに「傑作や!」
みんなもどしどし観に行って!
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