マシュー・ヴォーン監督作品に外れなし!と意気込んで観に行ったら思いっきりズッコケてしまった前作『キングスマン:ゴールデン・サークル』。
マシュー・ヴォーンですら駄作を作るんだ・・と、ある意味衝撃的だった前作なので、この3作目にして、キングスマン創設時を描いた前日譚である本作『キングスマン:ファースト・エージェント』は正直、まったく期待していなかった。
時代は第一次世界大戦が始まろうとする前夜。妻と息子を愛する平和主義者だったオーランド・オックスフォード公爵が、なぜ英国の民間スパイ機関「キングスマン」を創設するに至ったのか、その過程を描く物語なのだけど、前半までは「やはり観に来るんじゃなかった」と思ったくらい退屈なストーリー展開だった。
そもそも、今どきラスプーチンを純粋な悪役で登場させるというのも時代遅れ。
敵のボスが剣で羊の角を叩き斬るシーンなんかもあって、あからさまな動物虐待シーンも不快感を増す、やり過ぎ演出としか思えなかった。
・・・ところが、物語後半からの怒涛の展開とアクションは、前半までのイマイチ演出と、前作のダメダメ作品を無いことにできるくらい迫力があって、「これぞキングスマン!」と思わせるスタイリッシュかつ斬新なアクションシーンの連続だった。
それにしても、今回の主役であり、キングスマンの創設者であるオックスフォード公爵を演じたレイフ・ファインズ、来年には還暦を迎えるというのにあれだけのアクションをこなせるのには驚いた。
もちろん多くのシーンにはスタントダブルを使ってるんだろうけど、あの剣さばきの見事さ、さすがシェイクスピア舞台俳優!
というか、そもそも「英国紳士スパイ」といえば、レイフ・ファインズは既に『アベンジャーズ』(1998年版のスパイアクション映画で、マーベルの賑やかし映画ではない)で、ステッキを華麗に操って敵を倒す「おしゃれ㊙探偵」ことジョン・スティードを演じていたので、今回の配役は必然だったのだ。
ただ、当時『アベンジャーズ』は劇場まで観に行ったんだけど、作品の記憶はまったくなく・・
そういえば本作は、第19回ゴールデンラズベリー賞では最低リメイク・続編賞を受賞したんですよね。
レイフ・ファインズもユマ・サーマンも若いな・・
前作では「やっちまったな、、マシュー・ヴォーン・・」と思ったものだが、本作で「さすがマシュー・ヴォーン」となりました。
ということで、前半はともかく、後半からは「これぞキングスマン!」と思える痛快アクション作品なので、是非みなさんもどうぞ!
先週観たマトリックス最新作よりよっぽど面白いぞ!