こんにちは!
書店で妻が立ち読みしていた本を何気なく覗いたらなんと
なべおさみ著『やくざと芸能界』!
あの話題作『やくざと芸能と 私の愛した日本人』の文庫版です。
前々から読んでみたいと思っていたので即、購入しました。
です・ます調と断定調が入り混じり、おそらく校正は誤字脱字チェックのみ、あえて構成も校正もされてないと思われる若干読みづらい独特な文体ですが、それがかえって味わい深く感じられる。
なべさんの人間味が溢れた、なかなかの奇書でした。
そして、まるで吉田豪さんのインタビュー本のような豪快な昭和のエピソードの連続!
文庫版の前書きで、『やくざと芸能と 私の愛した日本人』を上梓したためか、カツラ合わせまで済んでいたNHKの木曜時代劇の出演がおじゃんになったと恨み節を述べられてましたが・・・
いやー、ここまで任侠の方々を礼賛するような内容書かれたら、そりゃ、あのダラしない国営放送局なんか一発でドン引きっすわ(笑)
そして本書の最後の方で・・・
直井二郎さんといい、花形さんといい、やはり人間として優れていたのだと思います。
「やくざなのに?」と言う人は、この辺で読むのを止めなさい。
やくざも堅気も関係なく、私は人間が好きなのです。
惚れた男は、女の数より多いのですから。
注:直井二郎氏、花形敬氏とも、任侠界では有名な方々です
・・・いや、なべ師匠!
本書の最初からさんざん任侠道の方々を褒めまくってたのに!
「この辺で読むのを止めなさい」ってのは、出来れば、もうちょっと早めに言ってくれませんか?
もうちょっと読んだら読了しまんがなー!
なべおさみさんはハナ肇さんの付き人をされてたのですが、残念ながらそのエピソードは本書には書かれてません。
★★★★★
・・・ということで、とても興味深い著作でした。
こうなったら、戸川純ちゃんのフェイバリット・ムービーであり、なべおさみさん主演『吹けば飛ぶよな男だが』を観ねばなるまいっ!ってことで、早速、AmazonでDVDを購入。
『男はつらいよ』シリーズを撮る直前の山田洋次監督の悲喜劇作品で、制作と公開は私の誕生年である1968年。昭和真っ只中です。
山田洋次監督の初期作品でも評価が高い名作らしく、確かに、なんでもあり昭和の、ワイルドで下卑ながらも純真な当時の雰囲気がとてもよく表現された傑作で、グイグイと物語に引き込まれてしまいました。買ってよかった!
なお、特典で山田洋次監督が本作を語るインタビュー映像が収録されているのですが、これがまた面白かった。
当時は日本全体で映画人気が下降線の時代。
山田監督自身もヒット作に恵まれず、松竹映画ともうまくいかない不遇の時代で、本作を最後に監督業を引退しようか、とも考えていたほどダメダメなコンディションで撮った作品だったとのこと。
それでも作品のクオリティの高さから、分かる人には分かってもらえたこの作品が監督の自信に繋がって、以降の映画人生を決定付けたターニングポイント的な作品であると語っておられました。
・・・正直、寅さん世代よりは下の年代なので、山田洋次作品なんてジジくせぇ、古くせぇと思ってたのですが、この作品で山田監督の誠実でかつ、インテリジェンス溢れる映画センスを改めて認識させられました。
山田監督すげー
それではー
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