okurejeの日記

フィギュアや映画や本などについて、ゆるく書かせていただきます。

『プロミシング・ヤング・ウーマン』 感想

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主演のキャリー・マリガンが演技上手で、演じたキャラも立っていたので観終わった後もなんとなく面白い映画に錯覚してしまうが、しかし粗の多いストーリーはいかにも新人監督の作品って感じで、なんでこんな映画がアカデミー賞脚本賞を受賞したのか甚だ疑問に感じる。なんだこの映画?

 

医学生時代のレイプ事件がもとで幼馴染の親友が自殺したトラウマから、30歳を目前にしながら未だに実家暮らしの女性が夜な夜な、クラブなどで泥酔したフリをして、声を掛けてきた軽薄男性に制裁を加える・・という設定が面白そうで観に行ったのだが・・・

 

まんまとお持ち帰りに成功した男がニンマリして飛び掛かったら、酔ったフリをしていたヒロインが突如シラフに戻って逆襲に転ずる・・・よし!チンコぶった切って惨殺したれや!ワクワク・・・と思っていたのだが、
・・なんとこの映画! 本性を現してから相手男性にどんな行為をしたのか、チンコ切ったのかブッ殺したのか、はたまた説教しただけなのか、・・まっっったく描いていないのである。いや、一人だけ最後まで顛末を描かれた男性がいたんだけど(『キック・アス』のラスボスのバカ息子役のクリストファー・ミンツ=プラッセ)、中途半端に気遣いができる男だったから説教だけで済ませてやるわ・・というワケのわからない理由で、ヒロインに脅されてシュンとしただけで終わるという・・・
何だコレ?何だコレ?

 

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そもそも主人公が、なぜ親友がレイプされて自殺したという理由から大学まで中退し、30歳になるまで無為に過ごすことになったのか、その真の動機や心情の説明が曖昧というか殆ど為されていない・・・というか、本来は優秀な学生だったので将来は医者になるハズだったのに、なぜカフェのバイトに甘んじているのかって設定ってそれ、カフェの店員とか飲食店の店員を端からバカにしてない?優秀な大学生がカフェの店員になるのは不可解って、あまりに時代遅れの設定では? ・・なんか今の時代にそぐわないメッチャ時代錯誤なテーマの映画なんだけど・・・

 

で、親友をレイプした首謀者の元同級生の男が、イギリスから本国アメリカに帰ってきて結婚式を行うという情報をたまたま(?)入手し、結婚前のバチェラパーティーに乗り込んで復讐する計画を立てるんだけど、その計画が緻密なのに極めて杜撰という、もう監督は何をやりたいのかやりたくないのかサッパリ意味不明な作品。

 

・・なんか、思い付きのアイデアありきで勢いで作ってしまったらヒットしてしまいました!って映画で、・・いい映画でした!☺
日本の配給会社も邦題は無理せず、原題をそのまま日本語読みにした、肩の力の抜き具合もよかったよ!☺

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『ブラック・ウィドウ』 感想

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絶対おもんない映画やろな・・と期待値ゼロで観に行ったら、意外と面白かった・・・の巻。

マーベルのにぎやかし映画アベンジャーズ・シリーズのにぎやかしの中でも、なんで単なる人間でパワードスーツも着ていないのに、神様とか宇宙人とかモンスターとか魔法使いとかと対等に共闘できてるの?といつも疑問に感じてしまうキャラだったが、やはり単体映画だと敵側とのパワーバランスも適正だし、派手さはなくこじんまりとしたストーリーではあるが、割とちゃんとした人間ドラマとして作られていたので好感が持てた。
もはやアラフォーの域に入ったスカーレット・ヨハンソンもアベンジャーズ出演はここらが潮時なので、スカヨハの有終の美を飾る作品としても良かったかもしれない。

 

今回の単体映画では、ブラック・ウィドウことナターシャ・ロマノフがなぜロシアの暗殺組織に入ることになり、そこから抜け出しえたのかという生い立ちの秘密を描くのだが、ナターシャが少女時代、敵国アメリカで諜報活動を行うために3年間、偽装家族として暮らした両親と妹との関係性を軸にストーリーが展開し、ラストではうっすら感動するほど、思いのほかきちんとした脚本のドラマになっていた。マーベル映画なのに。

 

特に良かったのが、あの『ミッドサマー』でメンヘラ主人公を演じたフローレンス・ピュー演ずる、偽装家族の妹・エレーナ・ベロワだろう。めちゃくちゃ毒舌で、姉のナターシャの決めポーズである戦闘時の着地姿勢を何度も小バカにしたり、偽装父のアレクセイに「お前も子供を持てば・・」みたいな説教じみた話をされたら、スパイ組織に無理やり入れられた途端に子宮を摘出されたと淡々と話してアレクセイをうんざりさせたりと、なかなか手厳しいんだけど、実は一番、偽装家族に愛情が深く、人間的なキャラクター。

 

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原作コミックでは2代目ブラック・ウィドウらしいので、今後のマーベル映画でも活躍してもらえるとうれしいかも。

 

なお今回は立川シネマシティで鑑賞したのだが、本作の上映館の椅子の高低差が低かったため、前列に座った人の頭部がスクリーンに被ってしまってイマイチの鑑賞環境だった・・。本来ならこの規模のアクション大作だったら新宿のTOHOシネマズなんかの大手シネコンでゆったり観るんだけど、例のディズニーと大手シネコンの確執のために、いつものTOHOシネマズ新宿で鑑賞できなかったのが、意外といい映画だっただけに残念。
ディズニーの数々の傲慢な態度は腹立たしいし大手シネコンの気持ちは痛いほどよくわかるのだが、時代は「オムニチャネル戦略」が主流になっているので、大手シネコンもディズニー様に折れてゆくしかないんだろうな。。

 

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