okurejeの日記

フィギュアや映画や本などについて、ゆるく書かせていただきます。

『20センチュリー・ウーマン』 感想

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面白いという評判は聞いてたんだけど、行きつけの美容院のYさんが観に行ったという話を聞いた時は、「どうせ小洒落たしゃらくさいミニシアター系作品なんでしょ」くらいに思ってスルーしてた。


そんで先日、『ストップ・メイキング・センス』のスタンディング強制ってのを観てきたとYさんに話したら、『20センチュリー・ウーマン』はまさにトーキング・ヘッズがモチーフの映画なんですよ!
自分は思わずトーキング・ヘッズのレコード(アナログ盤)を買いましたよ!
ってことだったので、おー!じゃ行って来るわってなって昨日観てきました。

 

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場所は渋谷のアップリンク。
ここは昨年、『エクス・マキナ』を観に行こうとしたんだけど場所がわからず、さんざん迷ってたどり着いたら上映開始の3分遅れだったので泣く泣くあきらめた映画館。
なので今回が初めてなんだけど、小さいながらも、映画が好きなのが伝わってくる、とてもいいミニシアター。

 

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・・・ちなみに、上映開始ってのは本編開始の3分じゃないんだよ?
映画館には、予告編が始まって暗くなってから入場するんじゃないんだよ?
まだ明るいうちに席に座って、暗くなる前にスマホの電源は落すんだよ?
昨日も本編開始から10分くらいしてから入ってくる客がいて、どんだけ雑な人生送ってんだよ、と思った。

 

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1979年。サンタバーバラ。
15歳の一人息子ジェイミーを愛しながらも、反抗期に少し不安になるドロシー、55歳のシングルマザー。
彼女の下宿に住んでいる20代の女性写真家アビーと、ジェイミーの幼なじみで近所に住む17歳の女子高生ジュリーの2人に、息子が正しい大人になるようにそれとなく教育してやって欲しいと頼む。
「いや、男の子の教育だったら女性じゃなくてやっぱり男性でしょ、(ドロシーの下宿人)ウィリアムじゃダメなの?」
「いや、ウィリアムはボーっとして頼りないから役に立たない。ジェイミーがなついているあなたたち2人に是非お願いしたい!」

息子のジェイミーいわく「大恐慌時代の女性」と揶揄されたドロシーはしかし、少し古臭いところはあるけど基本的にはアメリカ女性らしく大らかで進歩的。
粋でおしゃれな女性だが、やはりパンクやロッククラブなんかには違和感を感じてしまう。
息子の教育係を頼みながらもだんだん過激な行為や考え方を見せつけるアビーとジュリーに怒りながらも、それでも最終的には、彼女たちにも息子と同様に優しい。

 

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基本的には大きなストーリーはなくて、インターネットもない、まだまだ大らかなアメリカの家族の日常を、美しい映像で描くだけ、といえばそうなんだけど、とてもいい作品だと思った。

 

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特に、クラブに連れて行ったジェイミーを撮ったポラロイド写真の中から、ある1枚の写真をアビーがドロシーに渡すシーンがあるんだけど、酔ってはじけてかなり楽しそうな表情のジェイミーの写真を見た途端、涙が溢れて止まらなくなってしまった。
その1枚で、いかにドロシーが息子を愛しているかが、なぜかもの凄く伝わってきたから。

 

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余談だけど、本作は監督のマイク・ミルズの母と姉がモデルだそうで、完全に監督のオリジナル脚本なんだけど、観てる間は知らなかったので、もしやジョン・アーヴィングの小説を映画化したのでは?と思うほど、なぜかアーヴィング作品と似通った印象を受けた。
アーヴィングといえば日本で彼の作品を始めて翻訳したのは村上春樹。
そして舞台のサンタバーバラといえば、村上春樹が大好きなロス・マクドナルドと、彼の小説の主人公である私立探偵リュウ・アーチャーが住んでいた街。
・・・ということでこの作品、なんとなく村上春樹を想起させるんだけど、ただし自分が村上春樹がバイブルだったのは中高生までで、大学生になって『ノルウェイの森』を読んだとき、あまりにも相変わらずの村上春樹だったのでオエーとなって結局、最後まで読めなかった。
だから、世間はいつまで村上春樹、村上春樹って言ってんだか、はなはだ疑問だ。

 


「20センチュリー・ウーマン」予告編

 

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20センチュリー・ウーマン

20センチュリー・ウーマン

  • アーティスト: サントラ,ロジャー・ニール,スティーヴ・ディグル,スティーブン・ガーベイ,マー
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