okurejeの日記

フィギュアや映画や本などについて、ゆるく書かせていただきます。

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『パラサイト 半地下の家族』 感想

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話題作『パラサイト 半地下の家族』を観てきた。

昨年から話題だったので興味はあったのだが、内容的にもミニシアター系映画館での上映だろうと思っていたら、まさかの全国ロードショーで、大規模映画館で堂々と公開されたのには驚いた。さすがパルムドール受賞の効果は大きい。まさかこの作品をTOHOシネマズ新宿で観ることになろうとは思わなかった。

 

ということで、事前情報は殆どシャットアウトして鑑賞したんだけど、さすがに評判通りの衝撃的な内容で、後半からのジェットコースターのような展開に終始、力を抜くことができず、口を半開きにしたまま作品に釘付けになってしまった。

まず役者が素晴らしく、父親役のソン・ガンホはさすがのベテラン、いい味を出していたが、長男役のチェ・ウシクと長女役のパク・ソダムの切れのある演技とビジュアルの良さにウットリしてしまった。
また、作品のテーマである貧困層と富裕層の対比だが、主人公の無職4人家族が暮らす韓国の貧困層の象徴と言われている半地下住宅とその界隈と、4人家族が侵食していく富裕家族の豪邸、なんとオールセットで製作されたそうで、半地下住宅街は臭いが漂ってきそうなほどリアルに再現され、豪邸はいかにも富裕層が暮らすようなゴージャスな邸宅で、舞台のビジュアルも「映え」がすごい。
大スクリーンで鑑賞するに耐え得る作品として撮られているな、と感じた。

 

物語は、職を失った父と母、そして大学受験に何度も失敗している長男と美大志望の長女の4人家族のうち、ひょんなことから長男が、あるグローバルIT企業のCEOの娘の家庭教師という職を得たことから始まる。
機転の利く長男は人のいい富裕一家に取り入り、自分の家族であるという素性を知らせないまま、父をお抱え運転手に、母を家政婦に、妹をCEOの息子の家庭教師として就職させて、いわば家族総出で富裕一家に寄生することにまんまと成功する。
しかしある嵐の夜を境に、物語は急激な展開を迎えることになる・・・

 

・・・ただ、ストーリーも演出も奇抜で面白いのは確かなんだけど、細かい設定が雑というか、そもそも設定がないのでは?と思える点が多々あって、かなり気になってしまった。
例えば長男だが、有名大学在学中と偽って、富裕一家の娘の英語の家庭教師として一家から信頼を得ることに成功したが、4回も受験に失敗しているのに、本当に家庭教師としての実力があるのか、映画を観ても判然としなかった。何度も受験に失敗しているが受験経験が豊富なので家庭教師は務まるって理由、ちょっと無理がないですか?
またCEOの幼い息子の美術教師におさまった妹だが、あるトラウマが原因で両親も手を焼くほど落ち着きのない息子を、なぜ彼女が苦も無く手なずけることができたのかも劇中で説明はなかった。
そして、いちばん納得できなかったのは、富裕一家全員が息子の誕生日にピクニック旅行に行くため留守にした隙に、無職4人家族が豪邸内で酒盛りを始めるシーン。
周到な計画を練って自分たちを次々と富裕一家に雇わせるほど用意周到で用心深い家族が、ベロベロになるまで留守宅で酒盛りをするのはどう考えても間が抜けすぎ。
しかもその夜は嵐のような大雨で、ピクニックに行った富裕一家が急に帰宅するリスクが大きすぎるのに・・
・・というか、いくらなんでも富裕一家がスケジュールを変えて急に帰宅するなんて、そんなわかりやす過ぎるストーリーとは思ってもいなかったので、本当に急に帰ってきてビックリ!どんだけ都合のいい設定なんだよ!

 

確かに、世界的な現象で我々日本人も本当に身につまされる、富裕層と貧困層の分断をクリアにスタイリッシュに生々しく解像度高く表現した作品で、観終わったあとも色んな思いが残る映画なのは間違いないんだけど、それだけに、多々見受けられた、単純でご都合主義な設定が気になってしまった。少し残念。

 

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