okurejeの日記

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『エターナルズ』 感想

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ちょっと前に公開された『シャン・チー/テン・リングスの伝説』もそうだが、そもそも『エターナルズ』という作品がマーベルにあったことすら知らなかったし、予告編をみてもヒーローたちがいかにも地味。・・しかも「目からビーム」キャラまでいたので、「これは絶対にスルー」と思っていた。

ただ、酷評してるのが殆どアベンジャーズ好きなファンらしい。・・ということは逆に面白いんじゃないか?と思って、気乗りしなかったが観に行くことにした。

 

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宇宙の起源から存在するコズミック・ビーイングである「セレスティアルズ」という上位存在的な種族のひとり、アリシェム・ザ・ジャッジより、地球を人類の捕食者=ディヴィアンツから守るというミッションを受けて、10人のエターナルズが地球に降り立ったのが7000年以上前。以降、人類を見守りながらも共生し、ついに全てのディヴィアンツをせん滅する。だがアリシェムからの帰還命令がないためエターナルズを解散し、それぞれ地球で密やかに暮らしてきた彼らだったが、サノスが全宇宙の生命の半分を消滅させた事件の後、再び現れたディヴィアンツと闘うため、再びエターナルズとして集結することになったが・・

 

ちなみに、「なんで地球の危機のときにアベンジャーズと一緒に戦わなかったの?」と聞かれたエターナルズが、「・・あ、自分ら、戦えるのってディヴィアンツ関係だけなので・・」って、「お力になりたいけど担当外なんで・・」って言い訳してるリーマンみたいで笑ってしまった。なるほど納得。

 

ということで本作、期待値が低かったのもあるが、思った以上に楽しめた。
細かいとこで突っ込み所は多いけど、神話とSFをうまく融合させており映像も綺麗、全体的にストーリーもしっかりしてるし、10人もいる各キャラクターもそれなりに設定が細かく個性的。日本人にとってはあまりメジャーな俳優が少なく、あくまで地味めではあったが、観終わった後にはしっかり心に残る演技で、さすが『ノマドランド』のような社会派映画を撮った監督が演出しただけあるなと思った。(『ノマドランド』観てないけど・・)

ただ、エターナルズ10名のなかでも一番メジャー俳優と思われるアンジェリーナ・ジョリーの役柄が、カッコよくはあったが特段アンジーがわざわざ演じるほどのキャラクターでもないような気がして、若干もったいない感はあった。
でも、初期ロバート・ロドリゲス監督作品のミューズであるサルマ・ハエックがマーベル作品のヒーローを演じるというのは、なかなか喜ばしいニュースだった。しかも、ヒスパニック系の俳優がエターナルズのリーダーという重要な役どころをこなすというのが意義深い。
そして、これも喜ばしいキャスティングであるマ・ドンソクの初ハリウッド映画出演しかもマーベルヒーローだが、そのまんま「怪力担当」なのが笑えた。

 

なお本作は、あまりにポリコレと多様性を強調し過ぎてる感もあって、人によっては押しつけがましい印象を受けるかもしれないが、原爆投下後に廃墟と化したヒロシマで、人間の愚かさを嘆いて号泣するアメコミ・ヒーローを、アメリカの超メジャー映画で描写するというのはかなり凄いことではないだろうか。戦争を終結させるためには原爆投下もやむなし、と今でも思っている国民も多いだろうし、彼らの気持ちも良くわかるが、そういったアメリカのマジョリティを敵に回すかもしれない演出をよくやったものだ・・

しかし、やはりエターナルズの面々は、マーベルヒーローとしてはあまりに地味なので、今後の展開に派手なものは望めないとは思う。だいたいホットトイズも未だにフィギュアの商品化を発表しないし・・セルシを演じたジェンマ・チャンがキュートだったので、せめてセルシくらい商品化してあげなよ!

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