吉岡里奈さんのイラスト展『㊙︎茶封筒コレクション』に伺った。場所はお馴染みのカストリ書房さん。
今回は、昭和30年頃まで繁華街や温泉街などでひっそりと売られていたという、茶封筒に入ったエロ写真がテーマだという。
さすがに世代が違うので、茶封筒エロ写真なんて存在は知っていても実物なんて見たこともないが、路地裏から声をかけてきた怪しい男から、茶封筒からチラッと覗く女性の太ももと思しき写真を見せられ、スケベ心にほだされて買ったら相撲取りの生写真だった、という定番ネタはマンガなんかでよく読んだ。
吉岡里奈さんの作品は、やはりカストリ書房ギャラリーによくマッチする。
蒲田の老舗グランドキャバレーで使用されていたという赤いソファにこれほどマッチする絵画があるだろうか。
基本的にはユーモラスで明るいイメージの吉岡さんの作品だが、今回は妖しい蜘蛛女や、いつもより淫靡な感じのゴーヤ娘や真夏日の少女など、茶封筒エロ写真らしい、いかにも「うらぶれた路地裏のエロ」っぽい作品群に感じた。
在廊されていた吉岡さんに「お久しぶりです」と声をかけて頂いたけど、そう言えばリアルでお会いするのは昨年の6月以来で、実に1年以上ぶりだったのか、と驚く。
SNS上で繋がっていたら、つい身近に感じられるけど、今年は、コロナ禍で春に予定されていたイベントが中止になったりと、なかなか対面でお会いできる機会も少ない、異常な年だったんだな、と改めて感じた。
なお当日は、たまたま同じ時間にギャラリーに訪れていたイラストレーターの塙興子さん(@ko_kotsu)に初めて対面でご挨拶ができた。かねてからお会いしたかったので、嬉しい偶然だった。
吉岡さんの個展は11月8日(日)までなので、まだの方はお早く!