okurejeの日記

フィギュアや映画や本などについて、ゆるく書かせていただきます。

『アントマン&ワスプ クアントマニア』 感想

 

近年稀に見るほどの駄作で、どういうつもりでこんな作品を世に出したのか、製作陣を小一時間も問い詰めたくなった。

 

オープニング。
アントマンことスコット・ラングの愛娘、キャシー・ラングもすっかり成長し、なぜか量子世界へ信号を送る装置を発明、家族の前で起動する。・・??
そしてワスプことホープ・ヴァン・ダインの母親で、名優ミシェル・ファイファーが演じるジャネット・ヴァン・ダインが止める間もなくキャシーの装置が暴走、その場にいたスコット、キャシー、ホープ、ジャネット、そして名優マイケル・ダグラスが演じるホープの父親でジャネットの夫であるハンク・ピムの5人が、量子世界に引きずり込まれてしまった!・・・え?なんで?

 

ダチョウ倶楽部の故・上島竜兵氏の十八番ネタである「絶対に押すなよ!」が思い起こされたが、この冒頭シーンでは、「押すなよ!」の「お・・」も言わないうちに熱湯風呂に叩き落されたような唐突感を感じた。・・どんだけ雑な脚本なんだ。
というかマイケル・ダグラスもミシェル・ファイファーもベテランなのによくこんな幼稚な作品に出たな・・

放り込まれた「量子世界」も、まったくサイエンティフィックな雰囲気もなく、既視感ありありのファンタジーな舞台。登場するクリーチャーも量子力学とか物理学とかの匂いも全くない、ありきたりなキャラクターばっかり。
驚いたのは、マーベルコミックスでは意外と人気があるというモードック(M.O.D.O.K.)というヴィランが登場するという前情報はなんとなく知ってたんだけど・・

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アニメやゲームならともかく、こんなマンガみたいなふざけたキャラクターを実写で表現するのはかなりハードルが高いのでは?と心配していたが、なんと!なんの捻りも糞もないそのまんまのヴィジュアルで登場・・ 監督、頭にウジ湧いてんのか??・・

 

ストーリーもラストまでご都合主義で幼稚な展開に終始して、莫大な製作費を掛けてよくぞこんな糞みたいな映画を作ったもんだと、ある意味感心してしまった。

だいたい、量子力学とか多世界解釈を違和感なくエンタメ作品に落とし込めるのはクリストファー・ノーラン監督くらいしかいないだろうに、ディズニーとマーベルには敷居が高すぎるだろ。

 

MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)で劇場公開された作品は、本作を含めて31作目となるらしく、『マイティ・ソー/ダーク・ワールド』、『ドクター・ストレンジ』、『マイティ・ソー バトルロイヤル』の3作以外は、なんだかんだで全て劇場で鑑賞しているが、回を追うごとに質が低下しているMCU作品のなかでも、本作の質の低さは群を抜いていた。

アントマンの1作目はMCU作品の中では面白い作品だったが、2作目は微妙だった。
そもそも1作目はエドガー・ライト監督で製作されたが、途中降板するハメになって後を継いだのがペイトン・リード監督だったのだが、1作目の出来が良かったのは、エドガー・ライト監督の脚本が良かったからかもしれない。

本作、予告編から面白くなさそうで、本編は予想以上に酷かったが、今年5月に公開予定の『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3』の予告編も全く面白くなさそうだった。

ジェームズ・ガン監督も「DCスタジオ」の共同会長兼CEOに就任するってことで軸足が変わってきたし、作風もだんだんクドくなってきてるので、2作目までは面白かったガーディアンズ・オブ・ギャラクシーも期待できそうにない。
・・・それでも、まだまだMCU作品はDCEU(DCエクステンデッド・ユニバース)作品よりは数百倍マシではあるけど・・

 

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