御年84歳になるというポール・ヴァーホーヴェン監督の最新作。
ベヨネッタ! ・・じゃなくて、『ベネデッタ』
『暴力と、セックスと、教会の欺瞞を挑発的に描く!』という過激なコピー、17世紀に実在したという、聖痕を得て修道院長となったが、同性愛主義であると告発された修道女ベネデッタ・カルリーニを描いた作品ということで、過度な期待をせざるを得なかったが、ちょっとパンチが足りない作品ではあった。
2006年の『ブラックブック』より後のヴァーホーヴェン監督作を残念ながら観ておらず、久しぶりの新作ということで大いに期待した。
ベネデッタを演じたベルギーの女優・ヴィルジニー・エフィラがとにかく美しくて、かつヴァーホーヴェン翁の作品でお約束のスッポンポン演技も堂々と演じて、彼女の演技を観ているだけでも眼福な作品ではあったのだが・・。
実在の人物ということが逆に足枷になったのか、修道女の聖痕現象をテーマにしたかったのか、修道女の同性愛問題を掘り下げたかったのか、中世のキリスト教の矛盾を描きたかったのか・・・3つともなんだろうけど、テーマが多すぎたのか、それぞれのテーマがちょっと薄いままエンディングになってしまった印象。
本作のベネデッタというキャラクターは、現代で言うところの「無敵の人」っぽいのだが、あー、この映画、無敵の人を描いた作品なんだなー・・という理解で止まってしまった。
メル・ギブソン監督の『パッション』くらいの衝撃的で下世話な作品になるかと思ってたけど、そこまで至らなかったなー。やっぱ巨匠ポール・ヴァーホーヴェン監督も90年代の人なのかなー
・・でも、ヴィルジニー・エフィラは完璧だった!