okurejeの日記

フィギュアや映画や本などについて、ゆるく書かせていただきます。

『首』 感想

 

『龍三と七人の子分たち』、『アウトレイジ 最終章』と、直近の殿の映画の出来がとても満足できるものではなかった。

『龍三と七人の子分たち』は、殿の昔のトークネタを役者に無理やり言わせるなど、古くからの殿のファンには逆に痛いセリフが多く、ストーリーも大したカタルシスもないまま中途半端に終わったという、まさに駄作と言っても過言ではない。
『アウトレイジ 最終章』も、主要な役者が老齢のため活きが悪く、無駄なキャラクターは多い、ストーリーもちぐはぐで中途半端という、あれだけ傑作だったアウトレイジ・シリーズの終章として全く機能されていない凡作だった。

 

ということで最新作『首』。

殿の本格時代劇映画ということで大いに期待したいのはやまやまだが・・
そもそも本能寺の変が明智光秀の単独の謀反ではなく、豊臣秀吉など信長の側近も裏で絡んでいたという設定は、有名どころでは漫画『へうげもの』などでも既に発表されているため新鮮味はない。
またどうせ、殿が劇中でコントじみたセリフを吐いて、我々古くからのファンを寒くさせるんだろうと思ったら、率先して劇場に駆けつける気も無くしてしまった。
なので公開2週目におっとり観に行ったのが、一言でいうと、妻の鑑賞後の感想である、「風雲!たけし城」だった。

 


殿が羽柴秀長役の大森南朋と、黒田官兵衛役の浅野忠信と3人で遠くから合戦の様子を眺めながら、いかにもアドリブっぽいコントを繰り広げる様が、どう見ても「風雲!たけし城」で殿が、「三太夫」こと石倉三郎や、「東国原英夫之守三太夫Jr.」ことそのまんま東などの家老たちと掛け合う様子とそっくり!と妻も言っていたが、まさに本作は、「壮大な風雲!たけし城の映画化作品」と言ってもいいだろう。

 

 

・・では面白くなかったかと言うと、それが一言では言い切れないのがこの作品だとも言える・・

殿のコントが痛いのかと言えば確かに痛いのだが、そういうものだと思えば、そういうものに観えてくるのが不思議・・

思えば『龍三と七人の子分たち』が痛くて観ていられなかったのは、殿の昔のネタを他の役者さんに言わせたのが違和感の正体だったかもしれないが、殿自身がちゃんとした映画でネタをやっても、確かにそれほど違和感でもない。
・・いや、やっぱり映画として成り立っておらず、ちゃんと演技して欲しいのだけど、コレはコレでありか・・と思わせる、演者と観客の開き直りが発生したのかもしれない。

いわゆる狂言回し役だった、中村獅童が演じた難波茂助を、いったい何で木村祐一が演じた曽呂利新左衛門が拾ったのかも謎で、脚本もそれなりに破綻しているのに、まぁまぁ楽しく観れたのは、殿のバカバカしいコントのお陰だったのでは?とも思えてくる・・

それにしても、荒木村重を演じた名優、遠藤憲一はキモかったなぁ・・
だいたい『きのう何食べた?』でも、シロさんとケンジの濡れ場はおろかキスシーンすらないのに、なんでエンケンは西島秀俊の体を舐めまわしてるんだ!

 


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いやぁなんかなぁ・・
決して往年の北野作品みたいにクリアな名作ではないし、完全に映画として破綻してるんだけど、なんか残る作品だったなぁ・・

 

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