okurejeの日記

フィギュアや映画や本などについて、ゆるく書かせていただきます。

『ゴールデンカムイ』 感想

 

前日に『「鬼滅の刃」絆の奇跡、そして柱稽古へ』を観に行ったら映画館に観客が溢れていたので、さすが鬼滅、人気あるな・・と思ったが、観客の入りは7割程度だった・・
じゃ、みんな何を観に来たの?と思ってたら、どうも『ゴールデンカムイ』っぽい。

 

・・ということで、そもそも原作は10巻でリタイヤしたし、実写化にも全く興味が無かったのでスルーのつもりだったが、公開から2週間以上経っても客足が落ちない映画ってどんな作品なんだろう、とにわかに興味が湧き、観に行ってみることにした。

 

結論的には、最近の大作邦画の教科書みたいな作品だった。

アクションも派手、キャストもセットも豪華、原作に忠実、セリフで全てを説明してくれる、そして主演は山崎賢人!
退屈せずに鑑賞できたが、あんまり残るものがないという・・

 

冒頭の二百三高地のシーンは迫力があって良かったのだが、いかんせん、人体損壊ゼロなのはリアリティが無さ過ぎる。二百三高地の戦いは本当に激戦で、この旅順攻囲戦では日本側の戦死者は1万5千人を超えていると言われている。当時最新鋭のマキシム機関銃で撃たれた兵士の死体があんなにキレイなワケはないだろう。
『プライベート・ライアン』や『ハクソー・リッジ』、邦画では塚本晋也監督『野火』など、過去に悲惨な戦場の死をそのまま描いた作品も多くあるが、さすがにそこまでリアルに描け、とも思わない。
ただ、原作の『ゴールデンカムイ』は、グロシーンも容赦なく表現し、人間の残虐性を躊躇なく描くことがテーマの作品とも言える。
この実写版では、二百三高地の戦闘シーンだけでなく、ヒグマや小動物の解体シーン、人間がヒグマに虐殺されるシーンなどをストレートに描かず、当たり障りのない表現に留まっている。
おそらくレーティングが上がるのを意識しているんだろうが、このヌルさ、覚悟の無さが、本作を「当たり障りのないエンタメ大作」に留めているのではないか?と感じてしまった。

 

なお鑑賞後、久しぶりに原作を5巻くらいまで読み直してみたんだけど、思ったより原作に忠実な脚本だった。ただ例えば、杉元佐一とアシㇼパのコミカルなやり取りまで原作通りに表現しようとしていたが、さすがにコミックの表現をそのまま実写にしようとしたせいで、ちょっとギャグが滑ってしまったというか・・ここらへんは山崎賢人の力量か・・
昨今は原作に忠実にしないと原作ファンから過剰なクレームがくるため、いやでも原作通りにしないといけないんだろう・・脚本家も大変だ・・
ちなみに最近のコミック実写化で面白かった作品は、菅田将暉クン主演の『ミステリと言う勿れ』。
いま話題沸騰の相沢友子さんが脚本だが、『ミステリと言う勿れ』はドラマも映画も、原作とは違う部分も多いがそれなりに面白かったし、なんなら『セクシー田中さん』のドラマ版もよく出来ていると思った。もちろん、こちらが面白いと思えたのは、亡くなられた芦原妃名子先生のご尽力があったからだとは思うが、こんな事態になったのは、脚本家だけの責任とは到底思えない。
・・本当に、糞日テレと小学館は、ちゃんと経緯を説明して謝罪すべきだろう。

 

映画版『ゴールデンカムイ』に話を戻すが・・
今回の作品は原作の4巻あたりまでのエピソードだったが、全31巻の作品をこの調子で映画化したら、いったい何作まで制作されるんだろう。
・・というか、原作が嫌いなのでちゃんと観たことないが、『キングダム』なんて現在、70巻まで出てるみたいだが、これの映画化も何作までやるんだろう。
山崎賢人、死ぬまでこの2作品で飯食ってけるな!

 

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