okurejeの日記

フィギュアや映画や本などについて、ゆるく書かせていただきます。

『ウンタマギルー』 感想

 

高嶺剛監督『ウンタマギルー』は1989年公開。
実に35年も前の作品で、さすがに劇場では鑑賞していないが、レンタルビデオで初めて観たと記憶している。なおレンタルビデオと言っても、本当にビデオテープで、レンタルDVDですら流通していなかった。
*昔々、音楽や映像などを録音・録画する媒体には、ビデオテープという磁気テープが利用されていた・・

・・・こんな名作が、レンタルDVDにすらなっていなかったのだ。
もちろん、未だにBlu-ray化はおろか、DVD化すらされていない。
現在は一部のストリーミングやYouTubeで視聴可能らしいが、素晴らしい作品なので、高嶺剛監督の劇場用長篇第1作『パラダイスビュー』と共に、できればBlu-ray化して欲しいものだ。

 

 

そんな『ウンタマギルー』が劇場で鑑賞できるということで、国立映画アーカイブまで駆けつけた。
『日本の女性映画人(2)――1970-1980年代』というテーマでセレクトされた作品。
『ウンタマギルー』の美術監督である星埜恵子にちなんでいるらしい。
なお上映前に、本作の美術監督を担当されていた星埜恵子さんのプチ舞台挨拶もあった。

 

 

さて、『ウンタマギルー』。
沖縄が日本に返還される1972年前後の物語。
小林薫が演じる主人公の島尻ギルーが、沖縄の伝説的な義賊・ 運玉義留(ウンタマギルー)となって活躍する幻想的なファンタジー作品。

初めて観たときは、かなりの衝撃だった。
まず、全編が琉球語の作品で字幕まで付いているのに、主役の島尻ギルーと妹の島尻チルーを演じるのが内地の役者で、県外人からみても、方言の発音に違和感を感じる。
・・けれど、それがまた魅惑的な味わいとなっているが、なんといっても最盛期の戸川純が、「テルリン」こと照屋林助と唄い、踊りまくるというだけで、もう奇跡の作品。
映画音楽は上野耕路で、戸川純との音楽ユニット「ゲルニカ」の活動期間最後の年に、同じ映画に携わっている。
沖縄ブームの火付け役の1つとなった名作、1999年公開の中江裕司監督の『ナビィの恋』に先駆けること10年も前に、よくぞこれほど、謎めいてオシャレな沖縄映画を製作したものだ・・・さすがPARCO(パルコ)。

およそ30年ぶりに鑑賞したが、今観ても不思議で楽しい作品だった。
未だにDVD化されるのを待ち望んでいるファンも多いと思うが、版権やら何やらで、結局メディア化されないままになるのかも・・

 

 

それにしても国立映画アーカイブ、以前に展示スペースを鑑賞したことはあったが、映画作品を鑑賞するのは今回が初めて。
なにせ国立の施設なので、上映ホールもショボいのかと思っていたが、意外にスクリーンも大きく、座席もキレイかつ広くて、ちょっとしたミニシアターに勝るとも劣らなかった。
これで一般鑑賞料金が520円とは、かなりお得なシアターだ。
今までは、国立の施設ってのがなんとなく敷居が高いイメージがあったのだけど、あまり鑑賞する機会のない古い名作を気軽に、そして意外にカジュアルに観れる劇場だと思った。
これからは積極的に行きたい!

 

 

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