okurejeの日記

フィギュアや映画や本などについて、ゆるく書かせていただきます。

『ツィゴイネルワイゼン』4Kデジタル完全修復版 感想

 

今年は鈴木清順監督の生誕100年にあたるそうだ。
それを記念して、清順監督の『ツィゴイネルワイゼン』が4Kデジタル完全修復版で、ユーロスペースで公開されることに。

 

 

「浪漫三部作」の一作目にあたる本作、劇場で鑑賞するのはもちろん初めて。
・・というか、浪漫三部作のDVD-BOXも持ってるし、なんならサントラまで持っているが、『ツィゴイネルワイゼン』はたぶん1回くらいしか観てない。それもかなり昔・・・

 

 

どうしても『陽炎座』のほうが鑑賞頻度は高くなってしまって、『ツィゴイネルワイゼン』はなんとなく地味なイメージに。
なんといっても『陽炎座』の主演は松田優作ということもあって、どうしても『陽炎座』のほうに華を感じてしまうのだ。

 

そもそもDVDで鑑賞してから何十年と経っているのでストーリーは殆ど記憶になかったが、まぁ、改めて観ても意味がわからない作品だった。
なお本作は、内田百閒の短編『サラサーテの盤』をベースに、百閒のその他の短編や、鈴木清順監督や脚本の田中陽造の創作話をシナリオに織り込んだストーリーなので、多数の原作を一冊も読んだことがない自分には余計に理解しづらかった。
鈴木清順監督節が全開の作品で耽美的、極彩色の色彩美、かつ幻想的過ぎてさっぱりワケわかめな内容なので、ストーリーというよりは、独特の演出と美術を楽しむ作品となっている。
海外作品でいうと、アレハンドロ・ホドロフスキー監督の『エル・トポ』を和風にした作風ともいえるけど、まだ『エル・トポ』のほうがわかりやすいかもしれない。

いやーそれにしても、三人連れの盲目の門付け芸人(麿赤児、木村有希、玉寄長政)のシーンは強烈だったな・・
「先達」を演じたのはお馴染みの麿赤児・・って、金沢市出身だったんだ!
・・こんなワケのわからない面白シーンを撮れるのは、鈴木清順監督くらいだろう。

 

ただ、前夜の飲み会で飲み過ぎた疲れもあって、中盤以降は眠気との闘いだった・・
せっかくの邦画史上に残る名作を劇場で何十年ぶりに観れたのに、これは大失敗だった。
確かに目の離せない作品なんだけど、幻想的な絵が延々と続いていく145分の長尺!
とにかく本作を鑑賞するならば、きっちりと体調を整えてから劇場に向かうべし!

 

 

【スポンサーリンク】