新宿武蔵野館にて2週間限定上映の『おーい!どんちゃん』。
観に行く2日ほど前まで、本作のことは全く知らなかった。
完成してからも上映される機会が少ないながら、じわじわと人気が出てきた作品らしい。
いったいどんな作品なんだ?
沖田修一監督の実の娘さんに俳優さんを絡めて、手持ちのハンディカムで数年間撮影した映像を1本にまとめた自主制作映画で、当初は20分程度のプライベートな映像作品のつもりが、最終的に2時間37分になってしまったとのこと。
ストーリーは、売れない3人の俳優が共同生活を送っている一軒家、その玄関に置いて行かれた女の子の赤ちゃん。「どんちゃん」と名付けられたその女の子を、3人の男たちが戸惑いながらも育てていくというお話。
最初は、どんちゃんがメインの作品で、赤ちゃんがだんだん成長していく過程で、彼女を取り巻く3人の男たちが、幼児のお世話に奮闘する様子を描いた作品かと思っていた。
しかしどちらかというと、メインはどんちゃんというよりは3人の男たちで、売れない小劇団俳優の悲哀をリアルに描いた作品になっており、むしろその内容の方が興味深かった。
CMや映画などのオーディションに参加して主催側に無茶ぶりされるみたいな、オーディションあるあるみたいなシーンや、役者と事務所社長や劇団員とのやり取り、役者同士の会話などがリアルで、実際の小劇団俳優の日常ってこんな感じなんだろうなと思われた。
また、プライベート作品といいながら、名バイブレータとしてお馴染みの宇野祥平、山中崇、黒田大輔などの有名俳優も多数出演されてて、大作感もあった。
ただ、さすがに2時間37分という長尺はキツイかなとは多少は感じたが、物語としての落ちもちゃんと付いていたので、トータルとしてはとても面白い作品だった。最後はさすがにホロっとしてしまった。
なお上映後の舞台挨拶には、沖田修一監督と、道夫役の坂口辰平さん、郡司役の遠藤隆太さん、えのけん役の大塚ヒロタさんが登壇されていたが、スクリーンまんまのお三方で、いい味出されていた。
『カメラを止めるな!』や、最近では『侍タイムスリッパー』の俳優さんがメジャーになってきているが、本作のお三方も、これからどんどん映画やテレビドラマなどで活躍してほしい。
あと、作中でフューチャーされていた往年の俳優、加東大介だが、『七人の侍』で最後まで生き残った侍の一人で、あとは『用心棒』の新田の亥之吉役だったな、という印象しかなかったが、この人、めちゃくちゃ多くの映画に出演されてたんだな・・まさに昭和の名優の一人なんだ。
また御多分に漏れず、自分もポール・トーマス・アンダーソン監督作品は好きなんだけど、うっかり『ザ・マスター』は見逃してたので、機会を見て今度観てみないと!
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