一度殺されて過去の記憶を無くした謎の男、ヘンリーが人体の一部をサイボーグ化されて蘇り、自分をサイボーグ化して助けてくれた「妻」と名乗る謎の女性を救うため、なぜか自分をサポートしてくれる謎の男の協力を得ながら、謎の組織と死闘を繰り広げるという、(謎だらけの)SFヴァイオレンス・アクションです。
日本での全国公開は4月1日からですが、実は昨年、カナザワ映画祭の爆音上映で日本初上映を果たしていたそう。
殉職したアレックス・マーフィー巡査がサイボーグの体となって初めて目覚める、『ロボコップ』の印象的な一人称視点のシーンを彷彿とさせるオープニングで始まる本作ですが、『ロボコップ』の場合、一人称視点はマーフィーがロボコップとして目覚めてから初めて立ち上がり、関係者にお披露目されるシーンまでなのに対して、『ハードコア』ではなんと、オープニングからエンディングまで全編が一人称視点。
そう。FPS(ファーストパーソン・シューター)ゲームをそのまま実写映画化したかのような、かなり斬新な作品。
・・・なんでって、主人公の一人称視点オンリーで一本の映画を作るなんて馬鹿げたこと、思いついても誰もやらないだろうっていう。
なのでこの映画、主人公の顔は殆どわかりません。(ラスト近くでちょっとだけ出てくる)
FPSゲームといえば、古くは『DOOM』(ドゥーム)や、最近では『CALL OF DUTY』
などが有名で、海外ゲーマーでは人気ジャンル。
『CALL OF DUTY』はPS Vita版をプレイしたことがありますが、正直あまり好きではない。主人公の顔が見えないゲームって、あんまり感情移入ができないから。
しかし本作のFPSゲームっぷりは、もう見事としか言いようがない。
アクションの切れも良く、ゲーム以上に敵を撃ちまくる爽快感はハンパないです。
あと、全編一人称視点だと観てて気持ち悪くならないか不安でしたが、撮影のセンスが良いためか、意外と大丈夫でした。
なおいつもの通り、どんな映画か殆ど教えずに無理やり連れてきた妻ですが、
(自分自身も観るまでどんな映画か想像がつかなかったし)
こんなハチャメチャで子供っぽいストーリーで、しかも一人称視点で終始したトンデモ作品、観終わった後はさぞや文句を言ってくるだろうと覚悟してましたが、意外にも楽しめた!との感想で驚きました。
妻曰く、マシュー・ヴォーン監督の傑作『キック・アス』っぽい作品として楽しんだようです。
グロシーンも多く、最近の映画と比較しても描写はエグいのですが、スタイリッシュな演出と、『キック・アス』や『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のように音楽を効果的に使用しているせいか、ポップな雰囲気のアクション映画に仕上がっているからでしょう。
本作、間違いなく一人称視点映画のエポックメイキング的な作品として語り継がれていくこと間違いなし。
これは是非、劇場で観るべき作品!
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