okurejeの日記

フィギュアや映画や本などについて、ゆるく書かせていただきます。

鴨居玲、おもしれぇ

こんにちは!

 

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10月25日まで石川県立美術館で開催されている鴨居玲展。

 

 

絵画などまったくわからない自分でも彼の作品には強く魅了されましたが、私と同様、絵画はおろかアート全般に詳しくない妻などは、私以上に興味を持ったらしく、珍しく図録まで購入してきました。

 

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しかもそれ以外に、こんな鴨居玲の関連本まで購入する始末。

 

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恐るべし鴨居玲

 

死後30年経ってもなお世の女性のハートを掴んで離さないとは・・・
まさに、「死せる孔明、生ける仲達を走らす」!

 


鴨居玲、めっちゃおもろいオッチャンやん!

 

でこちらの本。『鴨居玲 死を見つめる男』

 

日本の洋画商の草分けといわれる「日動画廊」の副社長である長谷川智恵子さんが、友人であった鴨居玲の生涯とエピソードを綴ったもので、私も読んでみたのですが、人間・鴨居玲がますます好きになってしまうほど彼の魅力が伝わる内容でした。

 

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作品は陰鬱な作風であり、絵画に対しては血気迫るほど真摯に取り組んでいたそうですが、人柄はとてもチャーミングで、出会った人は誰もが彼のことを心底好きになったみたい。自分も1度、会ってみたかった!


日本はおろか海外の社交場にエスコートしても引けを取らないほどお洒落でダンディ、筋金入りのイイ男だったそうですが、性格はお茶目な面も多く、草野球が好きだったとか意外とアウトドアな一面もあったそうです。

 

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こちらは図録から

 

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草野球の応援団長で、始球式のようす

 

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どんなカッコやねん(笑)


この草野球やってる写真なんか見たら、あー、なんかいいオッチャンやなー・・としみじみします。

 


500万持って来いコノヤロー

 

日動画廊鴨居玲を全面的に支援されていたそうで、まさに鴨居玲の銀行」状態だったそうです。

 

(あえてそうしていた節があるそうですが)金銭感覚が乏しいため、お金がなくなると、手紙などで日動画廊にお金の無心をしていたそうで、その単位は「500万円」が多かったそう。


当時(昭和40年代後半)の大卒の初任給が9万円の頃らしく、さすが、老舗画廊はお金持ってるんだなーってのと、それほど鴨居玲の作品の価値が高かったんだなーと、またしみじみ。

 

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その500万円も、著者の夫である日動画廊社長の長谷川徳七さんが海外までわざわざ手渡しで届けにいったそうです。

長谷川夫妻と鴨居玲の関係は、単なる画廊と画家の関係を超えた親密さだったことが伺えます。


本書には、鴨居玲の多くの手紙の内容も紹介されています。
鴨居玲展も手紙がいくつか展示されています)

 

文才もあったようで、文章がチャーミングで素敵です。

あと彼がお金を無心する手紙の文章、ホント笑えます。

 

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さて、つきましては、此の「つきましては」と書きます時には、ロクな事が御座いません。書きまする本人も、本当に恥ずかしいのですが、つきましては、お金を少々拝借願えませんでしょうか。
使用目的・・・・・・・歯の治療費約30万円。ホテルその他の・・・・500万程、お願い出来ますか。

 

「お願いするのが本当に辛いのですが、「500万円」(円でも、ドルでも結構です)」

ホンマに辛いと思っとるんかい!?(笑)

 

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★★★★★

 

 

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『1982年 私』のひみつ

 

なお鴨居玲の代表作といったら、石川県立美術館が所有する『1982年 私』もその一つに入ると思いますが、本書によるとこの作品、個展ではなかなか売れず、日動画廊の地下にひっそりと展示されていたのを、石川県立美術館の嶋崎丞館長が見つけ、即購入されたそうです。

 

いやー嶋崎館長、グッジョブ!!

 

通勤時、美術館へ向かう館長をたまにお見かけします。
いつまでもお元気で!館長

 

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ところでこの『1982年 私』。
妻から聞いたのですが、この絵の中に描かれているキャンバス、何も描かれていませんが、実は「椅子に座る女性」が当初書かれていたのを、白で塗りつぶしている?というお話しがあるそうです。

真偽のほどは不明。

 

しかしそういえば、一部絵の具が盛り上がっている箇所があり、薄めで観ると女性のような影が見えるような・・・

 

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こんな感じ?

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・・・つーかそういう話、展示会に行く前に教えてくれーーっ!

(もう1回、行こうかな・・・)



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それではー

 

 

 

鴨居玲 死を見つめる男

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一期は夢よ 鴨居玲

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回想の鴨居玲―「昭和」を生き抜いた画家

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わたしは驢馬に乗って下着をうりにゆきたい (ちくま文庫)

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