超が付くほどの名作を、同じ監督が(ジェンダーは変わったが)何十年ぶりかで作る続編は面白いに違いない!と疑いなく思い込む癖を、そろそろ治さないといけない。
まず本作が、前作『マトリックス レボリューションズ』のちゃんとした?続編だったのには驚いたが、続編でありながら、1作目の焼き直しに過ぎない、さほど真新しさのないストーリーだったのは残念だった。
あと、ネオと、なんとトリニティまで同じキャストを起用したのはいいのだが、やはりキアヌ・リーブス、キャリー=アン・モスともに五十路を過ぎており、正直、大作アクション映画の主役を務めるには無理があった。観ていて痛々しい感すらあり、これならいっその事、キャストを一新したリブート作でも良かったのでは?と思う。
なお、ナイオビ役のジェイダ・ピンケット・スミスや、メロヴィンジアン役のランベール・ウィルソンなど、こんな役まで前作と同じキャストを使ったの?と思ったが、肝心のモーフィアスやエージェント・スミスなど、クセの強かったキャラクターに新たな俳優を使うという配役のバランスの悪さもいただけなかった。
しかしなんと言っても1番ダメだったのは、ジョン・ウィックと同じだらし無い長髪と髭で、見た目からショボくれたキアヌが、最後まで冴えないままのネオだったこと。覚醒するまでの懐疑的で弱腰な態度はしょうがないとしても、ネオに戻ってからもどこか弱々しい、パリッとしないキャラクターだったので、観客もスッキリしないままエンドロールを観るハメになってしまった。
というか、脚本がもう少し斬新でちゃんとしてれば、主役が五十路だろうがキャストが変わろうが納得感のある作品になったと思う。
‥きっと、ラリー・ウォシャウスキー監督やスタッフも、撮ってる最中にだんだんワケわかんなくなってきて「アレレ?」と思いながらも公開日も迫ってるので慌てて作って、やれ撮り終わって観てみたら「ありゃりゃ‥‥」となってしまったんだろう。
巷間言われてるようにメタ要素もイマイチで、文字通り「メタメタ」作品になってしまったし‥
本当に大好きな作品だっただけに、この新作の出来は残念で仕方がない。